研究課題/領域番号 |
19K19027
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
平井 公人 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (10710171)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | Hfq / small RNA / A. actinomycetemcomitans / 歯周病 / 感染性心内膜炎 / Cell adhision / 歯周炎 / RNA binding protein / biofilm formation / RNA chaperone |
研究開始時の研究の概要 |
RNA結合タンパク質であるHfqは多くの菌種で保存されており,環境の変化に応じて病原因子に関わる遺伝子のmRNAとsmall RNAとの会合を仲介して転写後の発現調整を担う。Aggregatibacter actinomycetemcomitansにおいては,Hfqの役割はまったく分かっておらず,本研究ではHfqが細菌の上皮細胞への侵入,免疫細胞との反応性に関与する遺伝子をどのように制御しているかを検討する。
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研究成果の概要 |
感染性心内膜炎の原因にもなる歯周病細菌Aggregatibacter actinomycetemcomitans(A.a)はRNA結合タンパク質であるHfqにより,病原性に関わる遺伝子の発現制御を受けているかを,ATCC株とそのhfq遺伝子欠損株を用いて検討した。hfq遺伝子欠損株においてバイオフィルム形成や上皮細胞への侵入効率が低下しさらに細胞接着や細胞内侵入に関わるflp1,rcpA,rcpB,tadAなどの遺伝子発現が低下した。これらの結果からHfqはA. aが感染,定着する過程において,バイオフィルムの成熟や宿主細胞への付着,侵入といった病原因子の発現調節を行っていることが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の成果はA. actinomycetemcomitansが口腔の局所から血管内へ侵入する過程において,巧みに環境ストレスに適応しながら遺伝子の発現を制御するメカニズムの一旦を解明した。本研究対象のA. actinomycetemcomitansは,感染性心内膜炎やアテローム性動脈硬化症に関与していることは疫学的研究で明らかとなっているが,本研究はその発症の詳細なメカニズムの解明に挑戦するものであり,研究成果は今後,心臓・血管疾患の予防につながる可能性のある,社会への波及効果が大きい。
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