研究課題/領域番号 |
19K19030
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小松 奈央 (正木奈央) 広島大学, 医系科学研究科(歯), 専門研究員 (90825316)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 間葉系幹細胞集塊 / C-MSCs / メカノトランスダクション / YAP/TAZ / 立体骨様組織 / 再生医療 |
研究開始時の研究の概要 |
現在のところ、もっとも理想的な骨再生療法は自家骨移植であるが、その採取量には限りがあり大規模欠損症例には適応出来ない。そこで本研究では、これまで治療困難であった大規模骨欠損症例にも対応可能となる新規細胞移植骨再生療法を開発するために、申請者らが独自に樹立した立体的間葉系幹細胞集塊Clumps of MSCs/ECM complexes (C-MSCs)を応用し、人工足場材料を必要としない立体的骨様組織を生体外で作製することを目的とした。
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研究成果の概要 |
間葉系幹細胞(C-MSCs)と細胞自身が産生する細胞外基質(ECM)から構築される間葉系幹細胞集塊C-MSCsは、直径1mmほどの立体的細胞塊であり、人工材料を用いることなく骨欠損に移植され、骨再生を誘導する。 生体のMSCsは硬い場にあると、YAP/TAZメカノシグナルを介して骨分化を開始する。そこで本研究では、浮遊培養される立体的なC-MSCsのメカノシグナルを制御することで骨様組織を創出し、骨再生療法に応用することを目指した。 その結果、多糖ベースのゲルに包埋し、場の硬さを与えることでC-MSCsから骨様組織を作製することに成功し、その骨様組織が高い骨再生効果を有していることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでのところ、最も理想的な骨再生療法は、骨芽細胞・骨細胞・骨基質を供給する自家骨移植である。しかし、自家骨は採取量に限りがあり、実際には大規模骨破壊患者の治療に利用できないケースが多い。 そこで、MSCsから自家骨に相当する骨様組織を生体外で作製し供給する技術が確立されれば、あらゆる大規模骨破壊患者に対応可能になると予想された。 本研究では、立体的な間葉系幹細胞集塊C-MSCsから人工材料を含まず、骨芽細胞・骨細胞・骨基質からなり、高い骨再生効果を発揮する骨様組織を創生することに成功した。このことは、現在のところ有効な治療法のない大規模骨破壊患者に対して、効果的な骨再生療法の実現につながる。
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