研究課題/領域番号 |
19K19034
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
菅野 真莉加 昭和大学, 歯学部, 助教 (40721220)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 酸化ストレス / 歯肉上皮 / 抗酸化 / 細胞接着 / 歯肉上皮細胞 / 接合上皮 / Nrf2 / レドックス制御 / 細胞接着装置 / 歯周病 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、歯周組織の感染防御の第一線である接合上皮が、歯周病原細菌によってどのような挙動を示すことで歯周病の病態形成に関与するのかを解明するための一助として、マウスの接合上皮細胞株を用いた各種in vitro実験を行う。初年度は酸化ストレスに応答して活性化するNrf2と細胞間接着装置に着目し、接合上皮細胞におけるNrf2の挙動と細胞間接着の変化を調べる。次年度は接合上皮の細胞移動能の評価と、Nrf2刺激によって発現が上下する遺伝子を網羅的に解析する。
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研究成果の概要 |
本研究では、ヒト歯肉上皮細胞株(Ca9-22 cell)および当研究室で樹立したマウス接合上皮細胞株(JE-1 cell)を用いて、酸化ストレス制御因子Nrf2が歯肉上皮細胞の細胞間接着装置に及ぼす影響を評価した。また、Nrf2誘導剤であるスルフォラファンが及ぼす影響についても検討した。 その結果、Ca9-22 cellにおいて、スルフォラファンはH2O2による酸化刺激後のNrf2核内移行量を促進し抗酸化作用を示す可能性が示唆された。また、スルフォラフファンは歯肉上皮細胞の細胞接着装置の一部の発現に影響を及ぼすことで上皮のバリア機能を維持する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯周病の罹患率は高齢化に伴って年々増加し、今や国民病とも言われている。歯周病はバイオフィルムによる慢性炎症性疾患であり、症状のないまま緩慢に進行するため歯科受診時にはすでに中等度以上進行している場合も多い。歯周病原細菌の生体内への侵入プロセスには、細菌側の病原因子だけでなく、生体側、特に歯肉上皮の防御機構の破綻が生じる。 本研究成果により、感染防御の最前線である歯肉上皮細胞の物理的バリア機能を司る細胞間接着機構についての解明が進むことは、その維持や修復を目的とした新しい予防・治療法の発見につながると期待される。
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