研究課題/領域番号 |
19K19040
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
前野 雅彦 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (20736334)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 接着タンパク質 / コラーゲン自己生成ペプチド / 歯ー歯肉間接着 / 光機能化 / シーリング法 / 接着 / 生体材料 / 接着タンパク室 / 硬組織 / 軟組織 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、歯の疾患や歯周疾患などによって失われた歯と歯肉との結合を対象とする。歯と歯肉との結合喪失は、放置・悪化によって最終的に抜歯に至り、健全な口腔状態の維持を阻害するため、重要な懸念事項である。失われた歯-歯肉間の結合を、生体材料を用いて接着・回復することができれば、健全な口腔状態を維持することが可能となる。生体材料としては、有機物、無機物および金属に対する接着能力を有する接着タンパク質を採用し、これにコラーゲンを生成するペプチドを結合させ、接着の起点とする。本手法を確立することは、近年の歯科医療における問題解決の一助となり得る。
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研究成果の概要 |
硬組織-軟組織(歯と歯肉)間の結合喪失は、健全な天然歯列の維持の大きな課題であるため、硬組織-軟組織間Bio-adhesionの生成手法確立を目指した。コラーゲン自己生成ペプチドを活用した手法を検討したが、定着量・範囲について十分な硬組織-軟組織間接着を達成するには乏しく、光機能化による被着面改質を検討した。各種被着体には光機能化による一定の効果を認めたものの、歯質に対する効果は十分ではないことが判明したため、歯面をターゲットとしたシーリング方法を検討し、有用な知見が得られた。しかし、軟組織に対して有用な効果を得るためには未だ課題が残されている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
硬組織-軟組織間の結合喪失は、その治癒の困難さから細菌の再侵入を許しやすく、最終的には支持組織の喪失によって歯の抜去に至るため、健全な天然歯列維持の大きな課題であり、これを解決することは健全な歯列・咬合の維持に大きく貢献する。本研究の過程から、光機能化による一定の効果を推察されたものの、歯質および軟組織に対する応用実現には課題が残った。一方で、並行して行った研究から、硬組織と対象としたシーリング法において歯と修復物の強固な一体化を通じ、象牙質歯髄複合体を保護する有用な手法が見いだされた。硬組織の損傷拡大は最終的に硬組織-軟組織間の結合喪失を意味するため、予防的な観点で意義ある成果と考えられる。
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