研究課題/領域番号 |
19K19056
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
鬼塚 理 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10779317)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 歯根膜由来間葉系幹細胞 / RNA-sequencing / RNA-seq / 間葉系幹細胞 / 次世代シーケンサー / リボソームプロファイリング |
研究開始時の研究の概要 |
RNA-seq解析により、MSCsの分化や増殖といった特性に関連する制御因子について多数報告されているが、mRNA発現だけを標的としたRNA-seqでは、細胞内の複雑な転写機構を正確に反映しているとは言い難く、その後のin vitro、in vivoでの機能解析結果が、RNA-seqの解析結果と一致していない場合も多い。そのような現状で、転写活性状態にあるmRNAのみを標的とするリボソームプロファイリングは、ダイナミックな変化がみられる細胞内の転写状況をより正確に把握できる手法であり、MSCsの研究に応用した研究は未だ報告がないため、本研究の学術的独自性は高いと考えられる。
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研究成果の概要 |
本研究では歯根膜由来間葉系幹細胞(PDL-MSCs)の歯周組織再生に特化した因子を同定することを目的とし、遺伝子発現等の細胞内における反応を網羅的に解析する手法を用いて実験を行った。網羅的解析により歯周組織再生に寄与しうる特定の遺伝子を複数同定し、細胞培養環境下での機能解析も実施した。in vitroの環境で同定した遺伝子をノックダウンした後に、アルカリフォスファターゼ等の骨芽細胞分化マーカーを調査し、有意な減少を認めたため、本研究で同定した遺伝子群はhPDL-MSCsの歯周組織再生を担う未分化細胞の重要な遺伝子であると示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
再生医療を目的としたMSCsの研究は、細胞移植の効果を検討した研究については古くから実施されているが、分化メカニズムや移植による細胞の動態等、未だ不明な点は数多く見受けられる。またこれまでに歯周組織再生療法に関する研究は数多く報告されているが、既存療法では多くの進行性の歯周炎を改善することは困難であり、新規治療法の開発が必要とされている。国民の半数以上が歯周病に罹患している現代社会において、進行性の歯周炎に対する治療法が確立されることは歯学研究において最も重要であり、本研究はその足掛かりとなり得る研究であり、学術的・社会的意義は高いと考える。
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