研究課題/領域番号 |
19K19062
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
|
研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
白井 麻衣 鶴見大学, 歯学部, 助教 (80779819)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 骨造成 / 吸収性メンブレン / 骨誘導因子 / インプラント / 歯科用インプラント / 硬組織再生 |
研究開始時の研究の概要 |
歯科臨床において、抜歯に伴う歯槽骨吸収による骨高径の低下は避けられず、一定の骨高径および骨幅が必要であるインプラント治療を行う際の障害となる。そこで、歯槽骨吸収を抑えるだけでなく、理想的な歯槽骨高径が獲得できる材料の開発が望まれている。現在、骨増生における遮蔽膜の有効性は既に知られており、様々なメンブレンが市販されているが、骨誘導能を有するメンブレンは少ない。本研究は、持続的に骨誘導因子を徐放するメンブレンを開発し、現状で市販されているメンブレンを使用した場合より、量的にも質的にも優れた骨増生を可能にし、インプラント治療の適応範囲を広げることを目的とする。
|
研究成果の概要 |
同種骨で製作した脱灰骨シートの骨造成能の検証、骨タンパク質に含まれる生理活性物質の同定、および生理活性物質と共存する非コラーゲン性タンパク質との相互作用を調べることを目的とした。脱灰骨シートは骨造成の誘導能を有し、その効果はシートに含まれる骨タンパク質中のトランスフォーミング成長因子ベータ(TGF-β)によるものであった。TGF-βはシート中の象牙質マトリックスタンパク質 1(DMP1)、Matrix extracellular phosphoglycoprotein(MEPE)、ビグリカン(BGN)などの非コラーゲン性タンパク質と結合することで活性が維持されることがわかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では脱灰骨シートが石灰化誘導能を有し、その作用が脱灰骨に含まれるTGF-βによること、さらにTGF-β活性は脱灰骨中のDMP1、MEPE、BGNなどのNCPと結合することで活性が維持されることを見出した。脱灰骨シートは、活性を維持した状態の骨誘導因子を徐放し、定量的・定性的な骨造成を可能とするメンブレンとして、GBR法やリッジプリザベーションなどのインプラント治療に有用である可能性がある。今後は、シートの多孔度の測定、in vivoおよびin vitroでの徐放時間の測定などの実験、人工材料への置換を検討する必要がある。
|