研究課題/領域番号 |
19K19068
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
上野山 敦士 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (40804571)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 赤唇 / 白唇 / インビトロモデル / ニホンザル / μアレイ / 口唇 / マイクロアレイ / 口唇モデル / 赤唇上皮 / ケラチン10 / SPRR3 / ヒト口唇 / 3次元インビトロモデル / 網羅的遺伝子発現 / 免疫組織化学 / ヒト赤唇 / 3次元モデル |
研究開始時の研究の概要 |
様々なヒト上皮組織の3次元モデルが販売されているが、3次元口唇モデルは未だ開発されていない。“赤唇”はヒト以外の動物にはないとされていたが、ニホンザル口唇には組織学的“赤唇”が存在し、特徴的な角化パターンがある。本研究ではまず口唇形成術の余剰組織から網羅的遺伝子解析と免疫染色でヒト赤唇における発現分子基盤を構築する。そして、サルで見られた角化パターンを起点にし、培養口腔粘膜作成技術を応用し、ヒト口唇上皮と赤唇複合組織の2種類の3次元インビトロモデルを開発する。最後に、紫外線と乾燥刺激によって2つのモデルの応答性を解析し、口唇の内部変化を解明できるモデルとしての機能的検証を行う。
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研究成果の概要 |
組織学的検索から、ニホンザル口唇にもヒト同様に皮膚、口腔粘膜と特徴が異なる赤唇があることがわかった。従って、ニホンザル口唇サンプルの皮膚、赤唇、口腔粘膜における特異的な遺伝子発現を検討することでヒト口唇に応用できると考えた。マイクロアレイ解析の結果、サルのin vivo赤唇上皮において、in vivo、in vitroの皮膚、口腔粘膜より有意に発現上昇している69遺伝子を見つけた。しかし、ヒト口唇組織でその遺伝子に関連するタンパク発現を検索したが、単独のマーカー発見には至らなかった。その代わり、ヒト赤唇ではSPRR3とK10の2重染色の陽性像が赤唇特異的なパターンであることを発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
医薬品などの安全性評価、製品開発や効能効果実証に動物実験使用が廃止となり、日本動物実験代替法評価センターが中心となって代替法の利用を推進している。3Rsの理念から、動物実験代替法の開発は急務であり、ヒト口唇モデルの開発は、世界中の人々が利用しているリップクリームや口紅などの安全性、効能を直接評価できるツールの開発につながり、大きな社会的波及効果が期待される。本課題では開発されるであろう、ヒト赤唇モデルの品質保証として特異的マーカーを突き止めた。将来的にヒト細胞で製造される3次元培養モデルは、赤唇に類似した組織形態を有し、単層培養系で困難であった製品の評価が可能となり、3Rsに大きく貢献できる。
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