研究課題/領域番号 |
19K19077
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
宮澤 敦子 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (00706997)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 幹細胞 / 再生医療 / ケラチノサイト / 幹細胞様細胞 / 口腔粘膜 / 神経再生 / ePUKs / 神経細胞分化 / 多分化能 / 若年者 / 多様性幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、再生医療の現場では骨髄や歯髄等の多能性幹細胞の有用性に注目した様々な研究が行われているが臨床現場で必要となる質の高い十分量の幹細胞を採取、または生産することは難しい。我々はこれまでにヒトの口腔粘膜や皮膚組織より単離したケラチノサイトから幹細胞様ケラチノサイト(ePUKs: epithelial Pop Up Keratinocytes)を独自の方法で生産・培養しその生物学的評価を行っており、このePUKsには多分化能があると考えている。そこで、口腔外科手術後の運動神経麻痺や知覚神経麻痺の治療にこのePUKsを応用した神経再生を目指した新たな再生医療の道を開く画期的な研究を計画立案した。
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研究成果の概要 |
in vitroでのヒト口腔粘膜より単離したケラチノサイトから産生されたePUKs (epithekial Pop Up Keratinocytes)の生物学的評価において、ePUKsは単層培養ケラチノサイトと比較してより幹細胞に近いという結果を得た。ePUKsの細胞サイズは単層培養ケラチノサイトと比較して小さく、また細胞生存率も高い結果となった。それらのePUKsを免疫蛍光染色で検討したところ、単層培養ケラチノサイトと比較して有意に多くの幹細胞マーカーの発現を認めた。またePUKsが培養上清中に産生した細胞増殖因子の量は通常の口腔粘膜由来ケラチノサイトと比較して有意に高い値を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
臨床現場で必要となる質の高い十分量の幹細胞を採取、また生産することは難しい。本研究では口腔粘膜から、より幹細胞に近いヒト口腔粘膜由来のケラチノサイト"epithelial pop-up keratinocytes (ePUKs)" を獲得する事が出来た。今後in vivoでのさらなる評価・検討が必要となるが、再生医療に注目が集まる骨髄や歯髄等の幹細胞に比べて、採取が容易で、かつ一度に大量の幹細胞様ケラチノサイトを生産・培養することができるこのePUKs培養方法は多くの可能性を秘めており、将来の臨床現場でその他の多能性幹細胞に代わる上皮や神経の再生医療の即戦力となるのではないかと考えている。
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