研究課題/領域番号 |
19K19086
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
豊嶋 悠輔 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (60779065)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 機械的歪み / 有限要素解析 / 骨細胞 / 歯槽骨 / 骨形態計測 / インプラント / メカニカルストレス / 破骨細胞 / 骨リモデリング / 組織形態計測 / 応力分布 / 骨芽細胞 / インプラント周囲炎 / 骨吸収 / 骨形成 |
研究開始時の研究の概要 |
これからむかえる超高齢化社会において,またインプラント治療を広く選択できるようになった世代の高齢化において歯周炎治療とならびインプラント周囲炎治療は大きな課題となる.また,さまざまな再生医療が細胞レベルで研究されており,インプラント治療においてもその周囲における口腔内組織構成細胞の病態を把握することは安全な治療を行う上で重要となる. そこでより安全なインプラント治療およびメインテナンスを行うにあたり,インプラント体への力によるストレスを局所的に与え、それらに対する骨細胞の反応を観察し、特に骨形成および骨吸収に対する閾値を算出することでより力によるストレスと炎症との関連を考察することとした
|
研究成果の概要 |
本研究の目的は、局所的な歪みがインプラント周囲の歯槽骨の骨細胞活性に及ぼす影響の検討である。我々は、荷重実験を行ったマウスから得た組織切片像と有限要素モデルから得た歪み分布図を重ね合わせ、歪み値と骨細胞活性を分析した。その結果、MARと同義である石灰化前線と蛍光ラベルの距離は、歪みが100με以上の領域ではそれ以下の領域より有意に大きく、大きな歪みが骨形成活性を局所的に増強することが示唆された。さらに、同様の方法で天然歯周囲の応力と骨の反応を分析した結果、骨形成活性を示すアリザリンラベル率の増減は引張り応力の増減と連動し、引張り応力が天然歯周囲の歯槽骨の骨形成活性を制御することが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インプラント治療を行う際、埋入位置や上部構造の設計の違いが周囲の歯槽骨の応力・歪み分布に影響を及ぼすことが明らかとなっている。現在、咬合負荷時における患者個々の顎骨の応力・歪み分布はCTデータから算出できる。しかし、算出された応力・歪み値が局所のインプラント周囲の歯槽骨の骨吸収・骨形成に与える影響は不明であり、インプラント治療の診断と設計に応用することができなかった。本研究の結果は応力・歪み値をインプラント治療の診断に応用するための基盤的な情報を提供するものであり、術前の治療シミュレーションにより長期予後を見込めるようなインプラント治療を可能にし、多くの患者に恩恵をもたらすことができる。
|