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インプラント周囲の骨吸収発生予知を目的とした歯槽骨骨密度評価の有用性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 19K19090
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分57050:補綴系歯学関連
研究機関岡山大学

研究代表者

黒崎 陽子  岡山大学, 大学病院, 助教 (90759664)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワードインプラント周囲炎 / 歯槽骨密度 / 歯槽骨吸収 / 歯槽骨骨密度
研究開始時の研究の概要

従来の検査法では,インプラント周囲の炎症の程度や進行性の骨吸収が生じているかを正確に診断できなかった.
近年,デンタルエックス線画像から歯槽骨骨密度を定量的に評価できる「歯槽骨骨密度評価サポートソフトウェア」が開発され,歯槽骨骨吸収の予兆を捉えることができるのではないかと注目されている.本申請研究では,「歯槽骨骨密度評価サポートソフトウェア」によるインプラント周囲骨吸収進行度評価法を確立し,その信頼性・妥当性を検討するとともに,インプラント周囲粘膜炎患者を対象に前向きコホート研究を行い,インプラント周囲歯槽骨の骨密度低下がインプラント周囲の骨吸収の発生を早期に予測できるかを検討する.

研究実績の概要

本研究では,インプラント体周囲al-BMD評価法を考案し,その信頼性と妥当性の検討を行った.
インプラント周囲炎罹患インプラント体を対象に,デンタルエックス線撮影を行った.その後市販ソフトウェアを用いて,デンタルエックス線画像上のインプラント体周囲のエックス線透過性亢進領域(領域A),領域A周縁の肉眼的非エックス線透過性亢進領域(領域B)ならびに対照として肉眼的非エックス線透過性亢進領域(骨辺縁部(領域C)と領域A直下(領域D))の4つの関心領域のal-BMDを2名の検者がそれぞれ独立して測定した.そして検者内一致度と検者間一致度を級内相関係数(ICC)にて算出した.さらに領域設定の妥当性の確認のため,設定した4部位のal-BMDを比較した(Steel-Dwass検定).
目的対象29名(撮影時平均年齢71.8±7.8歳,男/女:10/19名)のうち,al-BMD測定に適切なデンタルエックス線撮影が実施できた21名(撮影時平均年齢70.5±7.9歳,男/女:7/14名)を解析対象とした.39本のインプラント体(上顎/下顎:7/32本,前歯部/臼歯部:4/35本)周囲の領域A,B,C,Dのal-BMDを測定した結果,検者内一致度はICC:0.941,検者間一致度はICC:0.851であった.さらに,領域A,B,C,Dのal-BMD平均値(±SD)はそれぞれ94.6(24.6),116.6(27.5),116.5(30.1),134.9(27.0)で,領域Aは領域B,C,Dよりも有意にal-BMDが低く(p<0.01),領域Bは領域Dよりも有意にal-BMDが低かった(p<0.01).一方で,領域Bと領域Cのal-BMDに有意な差は認めなかった.
本年度は,本研究結果をまとめて学会発表を行い,また英文雑誌に投稿すべく論文作成を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス蔓延に伴い,感染防止対策の観点から研究目的でのデンタルエックス線撮影が難しい状況となり,予定していたサンプリング開始時期に遅れが生じたため.

今後の研究の推進方策

1.インプラント周囲炎罹患インプラント体を有する患者を対象に,インプラント周囲炎部のデンタルエックス線撮影および臨床診査を行いながら追跡調査を行う.そして,インプラント体周囲al-BMDの経時的変化とインプラント体周囲の骨吸収の経時変化との関連を検討する.
2.インプラント体周囲からの排膿は認めるが骨吸収がまだ発生していないインプラント周囲粘膜炎罹患インプラント体を有する患者を対象に,インプラント周囲粘膜炎部のデンタルエックス線撮影および臨床診査を行いながら追跡調査を行う.そして,インプラント体周囲al-BMD評価法のインプラント周囲炎予測精度の検証を実施する.

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2022 2020 2019

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Test-retest reliability of alveolar bone mineral density assessment for peri-implantitis.2024

    • 著者名/発表者名
      Shimomura Y, Kimura-Ono A, Kurosaki Y, Mino T, Higuchi T, Sakamoto K, Tokumoto K, Kuboki T.
    • 学会等名
      102th General Session & Exhibition of the IADR/ 53rd Annual Meeting of the AADOCR/ 48th Annual Meeting of the CADR
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] インプラント体周囲の骨吸収進行予測を目的とした歯槽骨密度評価法の開発2022

    • 著者名/発表者名
      下村侑司,大野 彩,黒﨑陽子,三野卓哉,中川晋輔,坂本和基,樋口隆晴,窪木拓男
    • 学会等名
      第52回公益社団法人日本口腔インプラント学会学術大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 献体を利用したインプラント術前検査としての歯槽骨密度評価の信頼性・妥当性の検討2020

    • 著者名/発表者名
      樋口隆晴、大野 彩、大野充昭、黒﨑陽子、中川晋輔、大森 江、石橋 啓、徳本佳奈、三野卓哉、窪木拓男
    • 学会等名
      公益社団法人日本補綴歯科学会第129回学術大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 献体を利用したインプラント術前検査としての歯槽骨密度評価の信頼性の検討2019

    • 著者名/発表者名
      樋口隆晴,大野 彩,中川晋輔,黒﨑陽子,三野卓哉,石橋 啓,大野充昭,窪木拓男
    • 学会等名
      第49回公益社団法人日本口腔インプラント学会学術大会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

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