研究課題/領域番号 |
19K19091
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
逢坂 卓 岡山大学, 大学病院, 医員 (70823954)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 咀嚼障害 / 人工知能 / 嚥下障害 / 咀嚼運動 / 運動障害性咀嚼障害 / モーションキャプチャー |
研究開始時の研究の概要 |
脳血管疾患や神経変性疾患,認知症等が引き起こす「運動障害性咀嚼障害」は,窒息,嚥下障害,栄養障害のリスクを高めるのみならず,通常の補綴歯科治療によって咀嚼機能を回復できない可能性が高まることが知られているため,診断体系に合致した介入方法の確立が必要とされている.しかし現状では,適切な診断基準でさえも確立されていない.そこで本申請研究では,運動障害性咀嚼障害を,汎用性の高い携帯型深度センサー付きカメラで撮影した動画像から評価できる「咀嚼運動評価プロトコール」を作成し,得られたデータから,人工知能による機械学習データセットを作成し,人工知能による運動障害性咀嚼障害の診断支援システムの構築を試みる.
|
研究成果の概要 |
本研究では,摂食時に撮影した動画から咀嚼・嚥下運動の評価を行うための撮影用アプリケーションの開発を行った.そして,撮影結果を用いて,運動評価の精度検証およびCNNを用いた学習を実施し,健常咀嚼と異常咀嚼を高い精度で識別できるプログラムを開発することに成功した.さらに,新型コロナウイルス感染症の影響で当初予定していた協力施設での対面の動画データ収集が難しかったため,介護職員や家族でも動画データ収集が可能なアプリケーションに改良し,現在,教師データの蓄積と人工知能学習を継続中である.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
認知症や脳血管疾患等で生じる運動障害性咀嚼障害は,一般的な咀嚼・嚥下機能検査での診断が難しく,介護現場で広く使用できるスクリーニングツールもない.今回,我々が開発した咀嚼・嚥下運動評価プログラムを活用すれば,医師・歯科医師が常駐していない老人介護施設や病院,在宅環境でも,運動障害性咀嚼障害や摂食嚥下障害のスクリーニング診断が実装できる可能性がある.さらに,将来的に遠隔医療支援システム等を介してその結果の妥当性を常に専門医がチェックできる体制が構築できれば,国民の健康向上に資する新たな医療システムを創造できると考えられる.
|