研究課題/領域番号 |
19K19099
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
|
研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
柄 慎太郎 九州歯科大学, 歯学部, 特別研修員 (20759386)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 骨代謝 / 糖代謝 / MRONJ / 骨粗鬆症 / 歯科インプラント / 骨造成 / 糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病治療薬として新たにSGLT2阻害薬が注目されている一方で、骨折リスクが増加するといった報告もある。糖代謝の状態が骨代謝に深く関与していると考えられているが、その原因および発生機序については未だ明らかでない。 骨粗鬆症患者に対し行ったインプラント治療では、インプラント体の生存率に有意な差は認めないが、インプラント周囲辺縁骨の吸収を有意に増加する骨造成における骨代謝と糖代謝の関連性が判明すれば、造成骨の予後予測や新しい骨吸収阻害剤の創薬による骨吸収予防が可能になり、歯周外科治療やインプラント治療に役立つだけでなく、糖尿病および骨粗鬆症がもたらす歯科治療への弊害を軽減することが期待できる。
|
研究成果の概要 |
外科処置を伴う歯科治療において,BP製剤服用患者に起こる顎骨壊死の可能性は未だ除外できないが,骨代謝と全身の糖代謝に密接な関連があることが明らかとなってきた.本研究では糖代謝関連薬剤を投与したMRONJモデルラットに外科処置を行い,顎骨治癒に与える影響を検討した.その結果,糖代謝関連薬投与群において抜歯後の顎骨の早期治癒がCT上で認められ,組織標本上でも壊死骨の有意な減少が認められた.骨粗鬆症患者では優位になっている破骨細胞数も投与群では減少傾向を認めた.以上より,糖代謝の改善が顎骨の治癒に寄与することで,MRONJ発症リスクを軽減できる可能性が示唆された.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
BP製剤とは異なる作用機序により骨吸収を抑制する薬剤でも,同頻度でMRONJが発症するとの報告がある.BP製剤自体の問題でなく,それらが持つ骨吸収抑制作用に起因すると推測される.顎骨壊死の詳細な機序については,未だ明らかにされていないが,本研究で糖代謝の関連性が判明すれば,MRONJの病態解析,そして新規骨吸収阻害剤創薬が可能となる.今まで外科的歯科治療介入が困難であった患者に対しても適切な治療を行えることができるようになる.患者のQOL向上にインプラント治療に限らず,骨粗鬆症,糖尿病がもたらす歯科治療への弊害を軽減することが期待できる.
|