研究課題/領域番号 |
19K19107
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
岩崎 太郎 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (60778281)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | チタン / 接着 / 過酸化水素水処理 / シラン処理 / コンポジットレジン / 機械的性質 / 接着強さ / 機械的特性 / エックス線光電子分光法 / CAD/CAM / ノンプレシャスメタル / シランカップリング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、CAD/CAMで加工された歯科用非貴金属材料(ノンプレシャスメタル)、特にチタンやコバルトクロム合金についての補綴装置への応用を想定し、過酸化水素水処理を行ったこれらの金属表面と、前装用材料や装着材料であるコンポジットレジンとの長期接着耐久性の評価・検討を行う。①金属表面への水酸基の導入、②シラン処理の操作からなる、臨床応用が可能な新規ノンプレシャスメタル接着システムの構築を最終的な目的とした基礎的研究である。
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研究成果の概要 |
本研究は、チタンに対する新規接着システムの構築を目的としている。本研究の結果から、チタン表面に対する①水酸基の導入のための過酸化水素水(H2O2)処理と、②γ-MPTSによるシラン処理の二つのステップからなる新規接着システムの最適条件が明らかとなった。過酸化水素水処理によってチタン表面に導入されたハイドロぺルオキシ基(Ti-OOH)はγ-MPTSの物理吸着や化学吸着を促進し、密となった層の凝集力でレジンセメントとの接着強さが向上した。どちらの重合様式(光重合・化学重合)においても従来の金属接着システムに比較し高い接着強さ獲得に有効であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、歯科臨床において歯科用CAD/CAM技術が補綴装置の製作に用いられている。使用可能な素材も金属材料や複合材料など多種類にわたり、チタンのその一つである。近年の社会情勢により歯科補綴治療に欠かせない貴金属(金やパラジウム等)の価格が高騰し問題になっている。チタンはその優れた物理的、生物学的性質だけでなく、貴金属に比較し安定した価格を示すことから、従来の歯科用金属材料に置き換わる材料として考えられており、チタン製補綴装置の装着等に有効な接着システムが求められる。本研究から得られた新規接着システムは、チタンの接着に効果的な一つの手法と考えられる。
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