研究課題/領域番号 |
19K19126
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
沼本 賢 岡山大学, 大学病院, 医員 (70837111)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 咀嚼筋 / マイオカイン / 筋活動 / 全身健康 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請は,咀嚼をする際に働く咀嚼筋において,咀嚼運動時に産生されるマイオカイン(筋活動によって筋組織内から産出される生理活性物質)を網羅的に探索し,「口から食事をとることが全身健康に与える影響」を科学的に証明することを目的として実施する。具体的には,①咀嚼時に咀嚼筋の筋細胞内で産生されるマイオカインは,手や足の筋由来のものとは異なるか,②それらが体内でどのように循環するか,経時的な変化に着目し,健全な口腔機能が全身健康に与える影響を,咀嚼筋のバイオロジーから紐解く基盤を形成する。
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研究成果の概要 |
本研究では,咀嚼して食事を取ることが全身健康の向上に影響を与えていることの生物学的機序の解明にあたり,咀嚼筋で特異的に発現するマイオカインの探索を試みた。その結果,抗炎症作用,抗菌作用を有するWAP four-disulfide core domain 12 遺伝子が,四肢の筋ではほとんど発現していなかったが,咬筋組織内では発現することが明らかとなった。しかしながら,咬筋と同様に咀嚼時に活動が活発となる唾液腺である顎下腺における発現量と比較すると低かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
咀嚼して口から栄養を摂取することが,同じ栄養量の経管摂取などと比較して全身健康を高める可能性が報告されてきた。本研究では,咀嚼の際に用いる咀嚼筋組織で特異的に産生される因子に着目し,四肢の筋組織内で産生されるものと比較した。その結果,抗炎症作用,抗菌作用を持つWAP four-disulfide core domain 12と呼ばれる因子は,腕や脚の筋ではほとんど産生されないが,咀嚼の際に活動する咬筋では産生されていた。本結果は,全身健康に役立つ因子が咀嚼に使用される筋組織内で産生される,すなわち咀嚼して栄養摂取することが全身健康を向上させる機序を説明できる重要な知見につながりうる。
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