研究課題/領域番号 |
19K19128
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
徳本 佳奈 岡山大学, 大学病院, 医員 (40837126)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 要介護高齢者 / フレイル / 口腔内細菌叢 / 腸内エコシステム / 16S rRNA解析 / 16SrRNA解析 |
研究開始時の研究の概要 |
我々の腸内には,腸内細菌叢と宿主が腸内エコシステムを形成しており,近年,この腸内エコシステムの変調が疾患の発症と大きく関わっていることが報告された.そこで,フレイルが腸内エコシステムの変調によって発症・維持されているのではないかと仮説を立て,特定の腸内細菌やその代謝産物がフレイルの発症や維持を引き起こしているという因果関係を明らかにし,フレイル発症の原因として特定された菌やその代謝産物の生物学的な影響を明らかにし,腸内細菌叢をターゲットとした新たな治療的介入法の開発に繋げる.さらに,腸内のフレイル発症原因菌を増加させる食習慣や運動習慣,これに関連する口腔内細菌叢を明らかにする.
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研究成果の概要 |
フレイルやオーラルフレイルは,後期高齢者が要介護状態に陥る前段階であるが,これらの病態がどのように獲得され,維持されているのかはこれまで十分検討されてこなかった.一方,腸内エコシステムの変調が疾患の発症と大きく関わっていることが報告された.本研究では,フレイル発症における腸内細菌叢の関与を明らかにすることを目的に前向きコホート研究を計画した.高齢者施設に入所する要介護高齢者に対して,臨床審査および介護記録調査を行い,便検体を採取した.解析対象22名のうち,観察期間中に16名が死亡し,平均生存期間は806.6±562.8日であった.解析対象の便検体を解析した結果,55種の科が検出された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フレイルは,身体的・精神心理的・社会的背景が複雑に絡み合い関わって発症する疾患であるため,治療法のみならず診断基準についてもコンセンサスが得られていないのが現状である.本研究成果は,フレイルを腸内エコシステムの変調と捉え,腸内細菌叢の観点からその発症の原因を解き明かそうとした点で,学術的独自性が高い.また,本研究の発展は,治療法の開発に繋がるのみならず,診断基準や重症度分類をも変える可能性を秘めており,フレイルの新たな概念を提唱するものとなる.世界一の長寿国日本が抱える医療界最大の課題であるフレイルの理解は,医療界に革新をもたらすことに疑いの余地がない,創造的かつ革新的な研究である.
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