研究課題/領域番号 |
19K19134
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
稲光 宏之 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (60779495)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 歯科材料 / 細胞毒性 / 破骨細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は破骨細胞の分化に歯科用レジンモノマーHEMAおよびTEGDMAが及ぼす効果について研究を行い、低濃度のレジンモノマーは破骨細胞に示す毒性は低いものの分化を強力に抑制することが明らかとなった。そもそもTEGDMAなどの疎水性モノマーは強い毒性を示す可能性が示唆されているため、研究結果はその一部を覆すものであった。本研究ではさらにモノマーやポリマーによる骨吸収に対する効果を網羅的に解析し、最も骨吸収抑制に効果的な材料の同定を行う。
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研究成果の概要 |
実験開始前にすでに分化抑制機能を示すことがわかったHEMAおよびTEGDMA以外のモノマーでは分化抑制を示すどころか細胞の多くが死滅してしまい、活性マーカーの発現も確認できなかったため分化抑制効果以上に細胞毒性を示す結果となった。また構造上の特徴や重合反応時の材料学的変化にも着目しセルカウント等で毒性試験を行ったがやはりこちらも重合時の発熱や化学的刺激による酸化ストレスの影響からか細胞毒性を確認するにとどまっている。具体的な抑制効果の機序を分析することで今後使用する材料を先に検討しておくことが新規材料の開発に有用と思われる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
破骨細胞の分化能力を既存の歯科材料およびそれらの構造を改良することで開発できる新規材料により抑制できれば歯周病やその他骨代謝疾患における骨吸収を防止でき、再生療法に貢献できると考える。また毒性を生まずに骨吸収を抑制できれば歯周病に限らず全身における骨のリモデリングを人体に好ましい方向に調整できる可能性がある。今回の研究では歯科用レジンモノマーに限って調査したため期待した効果を得られなかったが今後も様々な化学物質のもつ未解明の効果・機序を解明することで歯科用材料の開発が難病や治療困難な疾患に有意義であることを証明していきたい。
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