研究課題/領域番号 |
19K19135
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
田村 暁子 九州歯科大学, 歯学部, 特別研修員 (30762067)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 歯科インプラント / 骨 / 微小重力 / IDG-SW3 / TRPV4 / 骨細胞 / 人工重力装置 |
研究開始時の研究の概要 |
歯科インプラント治療において,歯の喪失に起因する顎骨の欠損や骨造成術後の骨量減少,インプラント周囲炎による周囲骨吸収は,インプラントの長期安定をしばしば困難にするが,絶えずリモデリングする骨における骨吸収亢進のメカニズムは未だ完全には解明されていない.骨細胞は,骨リモデリングの司令塔として多くの役割を担うことが知られてきている.本研究は,骨細胞が骨に加わるメカニカルストレスを細胞内や細胞間シグナルに変換し,そのリモデリングをコントロールする機序の解明を目的とするものである.
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研究成果の概要 |
リアルタイムPCR法によりIDG-SW3細胞の分化段階で認められるマーカー(DMP1,PhEX,SOST,FGF23)の発現を確認した.その結果,Gravite搭載群でコントロール群と比較して,DMP1は 3日目からの発現上昇は緩やかであったが継続的な発現上昇を認め,PHEXは,3日目まではコントロール群と変わらない発現上昇を認めたが,それ以降発現の低下を認めた.またSOSTは,両群ともに9日目以降に発現の上昇を認めたが,その発現は,Gravite搭載群で約半分となった.またFGF23は,0日からその発現が認められ,9日目,12日目でもコントロール群と比較して有意に発現の上昇を認めた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
重力環境制御装置は,マウス体外受精胚やES細胞,骨芽細胞などの研究に活用され,その応用範囲の広さは実証されているが,プライマリー骨細胞を用いた研究,さらに,回収したコンディションメディウムの影響を研究したものは初めてで,詳細なメカニズムの解明が期待できる.また,マウスに尾部懸垂を施しインプラント埋入を介入させることで新たな実験モデルの構築が期待できる. 本研究が端緒となり,骨吸収のメカニズムがより明らかになれば,歯を失った患者のみでなく,外傷によって失われた顎骨再建術などの移植骨の術後吸収を防ぐ画期的な薬物療法も可能になることが予想され,その波及効果は極めて大きなものと考えられる.
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