研究課題/領域番号 |
19K19141
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
小田 由香里 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (20778518)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | インプラント周囲炎 / streptococci / チタン / ジルコニア / 中性2%NaF / Streptococci / フッ化物 / インプラント体 / 表面改質 / 細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
インプラント周囲炎は、治療法の開発が喫緊の問題となっている。初期定着細菌群のレンサ球菌群とインプラント周囲炎の関連が示唆される一方で、インプラント表面のバイオフィルム形成細菌叢の詳細は明らかでない。インプラント周囲炎部位において初期定着に関連する菌を特定し、それらをターゲットに付着抑制可能な表面改質を実施することにより、インプラント周囲炎を惹起する細菌で構成されるバイオフィルム形成の後期定着細菌群の表面付着抑制に繋がる可能性が高い。インプラント周囲炎部位の細菌をメタゲノム解析にて解析後、インプラント表面へ初期定着する細菌種を特定し、その付着を抑制するインプラント体の有効な表面改質法を見出す。
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研究成果の概要 |
インプラント周囲炎部位においてサンプルを採取し、メタゲノム解析法により網羅的解析を行った結果、歯周炎における初期定着細菌とされているstreptococciが検出された。まず、streptococciにおいて、チタン及びジルコニア上の付着評価を行ったところ、チタンと比較してジルコニアで細菌付着が少なかった。次に、齲蝕を抑制することで広く知られるNaFに着目し、中性2%NaFがstreptococciの付着抑制にも有効であるかを検討したところ、チタン及びジルコニア上に2%NaFを塗布した群では、NaFを塗布しない群と比較し、生菌数が少なく、細菌の付着抑制に有効である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インプラント周囲炎はインプラント治療における生物学的合併症の一つであり、罹患患者は2018年時点で2割以上である。 しかし、明確な予防法および治療法がないために、医療保険適応項目であるインプラント除去となるケースが増加している。今回、チタンおよびジルコニア表面において、2%中性NaFが初期定着細菌streptococciの付着抑制に有効であることが明らかになった。本結果は、今後のインプラント周囲炎の予防法を確立するにあたり、基礎となるデータになるだろう。特にその臨床応用法を確立できれば、非常に有用であると考えられる。
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