研究課題/領域番号 |
19K19142
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
平場 晴斗 日本大学, 歯学部, 助教 (00800989)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 接着 / 機能性モノマー / 表面処理 / 歯科用金属 / 歯学 / 貴金属 / 接着機能性モノマー / プライマー |
研究開始時の研究の概要 |
補綴装置の支台歯に対する接着方法が予後に影響を及ぼすことが知られている。本研究は、歯科用貴金属合金に有効な有機硫黄化合物が、レジンの重合率、表面処理方法や複数の機能性モノマーの併用によって接着耐久性に及ぼす影響について、赤外線分光分析または X線光電子分光法などによる表面解析、形成された接合界面の観察や分析、レジンセメントの重合反応分析を行ことで解明するとともに、簡便かつ接着耐久性に優れた歯科用貴金属合金への臨床術式の確立を目的とする。
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研究成果の概要 |
歯科用貴金属合金に対して有機硫黄化合物による表面処理が接着強さの向上に有効である。多くの貴金属合金には、機械的性質の向上を目的として銅を含有している。その銅表面は処理によって変化することが知られているが、それが機能性モノマーの効果に与える影響については不明であった。本研究では、変化した銅表面と機能性モノマーの相互作用について比較検討を行った。本研究の結果から,酸化銅(I)の状態であれば有機硫黄化合物が有効であるが,リン酸エステル系モノマーの効果が得られない一方で,酸化銅(II)の状態であればリン酸エステル系モノマーが有効であるが,有機硫黄化合物の効果が得られないことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
8020運動により、患者から残存歯を可能な限り削らないで欲しいという要望は年々高まっている。近年、保険収載された接着ブリッジは、歯質の削合が非常に少なく少数歯欠損症例に対して、多くの歯質の保存が可能となる一方で、接着に対する専門的な知識や煩雑な操作を必要とする場面が多い。本研究の結果から、補綴装置のフレームワークに銅を含有する歯科用貴金属合金を用いた際に、強固な接着を得る術式として、洗浄と粗造化を目的としたアルミナブラスト処理によって酸化した銅の効果を得るために、酸性機能性モノマーを有機硫黄化合物と組み合わせて表面処理に用いることを推奨できることを示唆するものであった。
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