研究課題/領域番号 |
19K19143
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
西尾 健介 日本大学, 歯学部, 助教 (50780558)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 電解酸性機能水 / 有床義歯 / 誤嚥性肺炎 / 高齢者 / 口腔ケア / 肺炎 / 健康寿命 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、高齢者に対する新たな肺炎予防法の確立を目指したものである。 肺炎は、我が国の死因の上位であり、さらに健康寿命の延伸を阻む疾患の1つであることからも、その予防は国を挙げての課題とされている。 そこで我々は、様々な医療の現場で使用されている電解酸性機能水に着目し、その安全性・広スペクトルな殺菌効果から、電解酸性機能水による含嗽が、新たな肺炎予防法となり得るかを、臨床的に検討した。
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研究成果の概要 |
in vitroの実験より、電解酸性機能水(FW)は、誤嚥性肺炎の原因菌である黄色ブドウ球菌・肺炎レンサ球菌・緑膿菌・カンジダアルビカンスに対して殺菌効果を示した。さらに、その殺菌機序を検討した結果、酸化ストレスのマーカーであるSuper Oxide Dismutaseの活性が上昇したため、FWの殺菌機序は酸化作用が関連している可能性が示唆された。FWの細胞障害性を検討した結果、一般的な含嗽剤と同等の細胞障害性であった。 次に、有床義歯を装着した高齢者に対して、FWでの含嗽を1週間指示し、患者の唾液および舌背の細菌数の変化を確認した結果、多くの被験者で舌苔の細菌数の減少が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔ケアの第一選択はブラッシングであるが、臨床現場では、患者もしくは介護者が十分にブラッシングを行えていない場面が散見される。そこで我々は、簡便で効果的な口腔ケア方法として、FWによる含嗽に着目し、その効果を検討した。コロナウイルスの流行により、予定していた被験者数を大きく下回ったが、FWは、誤嚥性肺炎の原因菌とされる細菌に対して十分な殺菌効果をしめし、さらに、その細胞障害性は、従来の含嗽剤と比べても同程度であることからも、FWを用いた含嗽は、高齢者の口腔ケア方法としして有用な可能性を示唆した。
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