研究課題/領域番号 |
19K19152
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
喜田 晶洋 千葉大学, 大学院医学研究院, 医員 (60741816)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | セツキシマブ / EGFR / EGFR分子標的治療薬 / 皮膚障害 / 心障害 / EGFR分子標的薬 / 心毒性 / 皮膚毒性 |
研究開始時の研究の概要 |
セツキシマブはEGFRに対する分子標的治療薬であり、その有効性が高く評価されているが、皮膚症状、心障害が高頻度に起こり治療の妨げとなっている。副作用を抑制できれば他の抗癌剤より良好な予後が得られるものであるが、一般にはEGFRを分子標的とするため、これらの障害が起こることは当然であり、抗腫瘍効果を維持したまま副作用を抑制する治療法はあり得ないと考えられてきた。本研究では、EGFRを起点とするセツキシマブ作動ネットワークにおける皮膚毒性カスケードと心毒性カスケードが抗腫瘍効果カスケードと分岐することを利用し、皮膚症状や心毒性を抑制、かつ抗腫瘍効果を維持・増強する併用治療薬の開発を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、セツキシマブの皮膚障害や心毒性を抑制し、抗腫瘍効果を維持あるいは増強する治療薬の開発を目的とした。抗腫瘍効果、皮膚障害、心毒性を発現するカスケードを同定し、扁平上皮細胞株、皮膚上皮細胞株、ヒト胎児腎細胞株を用いて同定した各カスケード群を候補遺伝子(p-38、c-fos)が担っていること、pathwayの分岐点の存在を明らかにした。さらに皮膚障害、心毒性のみを阻害する候補薬剤を同定(SB203580、flavaglines)し、抗腫瘍効果を弱めることなく皮膚障害、心毒性を抑制していることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
セツキシマブは頭頚部癌に対する社会保険で認められたEGFR分子標的薬であるが、激しい全身への多発発疹などの皮膚障害や心筋梗塞などの心毒性が主な副作用として挙げられ、副作用が治療自体の妨げになっていることも少なくはない。EGFRを標的とするため副作用が強いほど抗腫瘍効果が高いという一般見解を根底から覆し、抗腫瘍効果を維持あるいは増強し、皮膚障害や心毒性を抑制する治療薬が開発できれば、癌治療における患者のQOLを向上させ、社会復帰にも道を拓く可能性を有する、学術的にも社会的にも大きな意義をもつと考えられる。
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