研究課題/領域番号 |
19K19156
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
齊藤 泉 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (10836456)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 炭酸ガス / ミトコンドリア / 創傷治癒 |
研究開始時の研究の概要 |
近年われわれは、局所的に炭酸ガスを効率的に吸収させることのできる低コストな炭酸ガス投与法によって、局所皮弁の生着面積が増えることを発見し、血管新生と血流改善が認められることも確認した。本研究の目的は、局所的炭酸ガス投与によって、ミトコンドリアをターゲットとし、創傷治癒を促進する新しい治療法の開発を目指すことである。具体的には、口腔粘膜由来細胞および皮膚由来細胞のミトコンドリア機能の違いと、局所的炭酸ガス投与によるミトコンドリア機能への影響と創傷治癒促進効果を細胞培養実験や動物実験で確認していく。
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研究成果の概要 |
本研究では、ヒト口腔粘膜由来線維芽細胞、ヒト皮膚由来線維芽細胞をそれぞれ培養し、ミトコンドリア機能制御に関わる因子(PGC-1α, TFAM, NRF-1/2)を検討した。また、ラット皮膚欠損モデルを作成し、炭酸ガスペースト塗布による創傷治癒促進効果を確認した。IL-1β, IL-6等の炎症性マーカーは炭酸ペースト群で減少した。また炭酸ペースト群において、HIF-1αの減少を認め、低酸素環境が改善されていることが示唆された。VEGF, TGF-β等の創傷治癒マーカーは炭酸ペースト群で増加した。これら創傷治癒マーカーは、免疫染色においても同様の結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、創傷治癒促進のための様々な創傷被覆材や治療法が開発されているが、さまざまな問題が残されている。本研究では、局所的炭酸ガスによる効率的で、新たな創傷治癒促進法の確立を目指すもので学術的意義が示された。また、低酸素環境を改善することにより、創傷治癒促進効果が確認できた。今後、臨床応用として、局所的炭酸ガス投与による効率的で、低リスク・低コストな新規創傷治療法が提供できる可能性があり、社会的意義があると考えられる。
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