研究課題/領域番号 |
19K19157
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
重岡 学 神戸大学, 医学研究科, 助教 (20778716)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 口腔扁平上皮癌 / マクロファージ / 舌癌 / 舌白板症 / CD163 / IL-10 / CCL20 / 発癌 / TLR4 / 舌扁平上皮癌 / 口腔発癌 / マクロファージ局在 / 異種細胞間相互作用 / ERKシグナル / M1マクロファージ / 病理診断 / 予防 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔扁平上皮癌は死亡率が高く、予防・早期発見が緊急課題であるが、発癌段階における詳細は明らかにされておらず、課題は山積している。マクロファージ(MΦ)は免疫を賦活する M1型と抑制するM2型の二極に分化し、M2型は様々な種類の癌の進展に寄与するとされているが、近年ではM1型についても腫瘍を促進する可能性が言われ始めている。申請者は、口腔癌は上皮内腫瘍の時点で既にM1-MΦが浸潤していることを見出している。本研究では、M1-MΦによる口腔癌の発生・進展の分子メカニズムを解明すると同時に、M1-MΦを標的とした新規発癌予防法や早期病変の正確な病理診断法を開発し、予後の改善を目指す。
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研究成果の概要 |
口腔扁平上皮癌は難治癌で、予防や早期診断・治療が重要となることから発癌メカニズムの解明が急がれる。本研究では口腔扁平上皮内腫瘍において基底膜直下に集簇するM2マーカーCD163陽性マクロファージが腫瘍免疫抑制を介し生物学的なプロモーターとして関与し、浸潤癌への進展に伴い間質のみならず腫瘍胞巣内や病巣周辺の上皮へと局在を変化させることを明らかにした。加えて、癌細胞は上皮内集簇マクロファージとの相互作用によりM1マクロファージ関連ケモカインであるCCL20の分泌を介してマクロファージのCD163発現を誘導すると同時に悪性形質を促進する可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔扁平上皮の発癌過程は未だ解明されていない点が多く、さらには、これまでマクロファージに着眼した検討は少数であった。本研究の学術的・社会的意義は、口腔の発癌段階におけるマクロファージはM1/M2理論のみでは答えの出せない多様な活性を示すことを見出し、マクロファージの分布や癌細胞との位置関係の変化、それに伴い微小環境中に誘導されるCCL20が口腔癌の予防や早期病変に対する診断の標的となる可能性を示したことである。 これらの成果は、癌進展への関与が注目される癌細胞-マクロファージ相互作用を基軸とした口腔扁平上皮「発癌」の新たな制御法開発への足がかりを提供するものと期待される。
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