研究課題/領域番号 |
19K19163
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
福田 直志 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (10804156)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | β型リン酸三カルシウム / 自己硬化性 / 顆粒セメント / 垂直的骨造成 / 骨再生 / 骨再建 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、実験動物を用いた β-TCP顆粒セメントによる垂直的骨造成の検討と、骨再生用スキャフォールドとしての β-TCP顆粒セメントの有用性を検討する。具体的には、①実験動物に顆粒単独では造成困難な骨欠損を作製し、β-TCP顆粒セメントを用いた垂直的骨造成を試みる。また、②培養骨髄細胞を用いて、β-TCP顆粒セメントに対する細胞の初期接着や増殖、分化の評価を行なう。さらに、③骨髄幹細胞を浸漬し作製した細胞/β-TCP顆粒セメント複合体を実験動物の背部皮下へ移植することで、初期、中期における骨再生の挙動について病理組織学的な検索を行なうとともに、長期的な材料の吸収性についても観察を行なう。
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研究成果の概要 |
本研究では、自己硬化型β-TCP顆粒セメント(β-TCPGC)を用いてウサギ頭蓋骨に対し垂直的骨造成実験を実施した。治癒期間は2週、4週、16週とし、μ-CTによる形態学的評価および非脱灰切片(ビラヌエバ・ゴールドナー染色)による組織学的観察を行った。すべての観察期間においてβ-TCPGCは崩壊・飛散することなく積層された形態を維持しており、β-TCPGC群は対照群と同様に良好な組織親和性を認めた。術後2週から4週にかけてβ-TCPGC内部へ細胞成分はほとんど侵入せず、母床骨からの骨伝導をわずかに認めるのみであったが、術後16週では材料内部に対照群と匹敵する旺盛な骨新生を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果から、β-TCPGCはその自己硬化性からメンブレンやチタンメッシュなどによる被覆を必要とせずにそれ自体が形状を維持しながら充填部に保持されることで、将来的に本材単独での垂直的骨造成を可能とする新たな骨再建および骨再生用のデバイスになる可能性が示唆された。
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