研究課題/領域番号 |
19K19165
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山内 昌樹 九州大学, 歯学研究院, 共同研究員 (60805282)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 口腔扁平苔癬 / カテプシンK / TLR9 / Th17 / 樹状細胞 / DNAマイクロアレイ / pDC / LMD法 / 上皮-樹状細胞間のネットワーク機構 |
研究開始時の研究の概要 |
OLPは初期口腔癌への悪性転化が認められるため、その発症・病態進展の抑制が重要である。われわれはOLPの病態進展において、Th1/2 バランスと樹状細胞の関与に着目し、その病態進展には上皮由来の胸腺間質性リンパ球新生因子 (TSLP) が関与していることを明らかにした。 そこで本研究では、先行実験で上皮からの発現亢進を認めたカテプシンKに注目し、OLP における上皮-樹状細胞間のネットワーク機構の解明を目的に、病変上皮を選択的に抽出し、DNAマイクロアレイにて疾患関連分子を同定する。最終的にはそれらの分子を標的とした治療戦略の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
ヒトPBMCからpDCを抽出し、①(pDCのみ)、②(pDC+TLR9アゴニスト)、③(②+CTSK)、④(③+CTSK阻害薬)でそれぞれ刺激、培養し、Th17関連サイトカイン産生量を比較すると、③でそれらの発現が優位に亢進していた。 OLP組織からCD45で免疫細胞を抽出しRNA-seqを行ったところ、TLR9はpDCで強い発現を認めた。パスウェイ解析の結果、TLR9+pDCではTh17への分化経路やT細胞の活性化経路が上昇していた。 以上より、CTSKがTLR9を介してpDCのTh17関連サイトカイン産生を促進し、Th17への分化が活性化され、OLPの病態形成を促進している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、口腔扁平苔癬( OLP)の病態形成における上皮-樹状細胞ネットワーク機構を解明することで、最終的には新規標的分子治療の確立を目指すものである。 臨床的には OLP は局所へのステロイド塗布が第一選択薬であるが、ステロイドに対し抵抗性を持つ症例や再発する症例も少なくない。そのため、OLP の発症・病態進展の抑制が重要であり、ステロイドに代わる新たな治療が望まれている。本研究で期待できる成果は、 OLP 病変局所の粘膜上皮や間質がそれぞれ特異的に発現している新規関連分子を解析することで、それらを標的とする新規標分子治療へ展開できる可能性があり、極めて有意義な研究である。
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