研究課題/領域番号 |
19K19170
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
五十嵐 健人 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (00822876)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | KCC2 / 放射線 / 初代培養 / ライブセルイメージング / 動物行動解析 / 放射線照射 / 培養細胞 / 酸化ストレス / 初代培養神経細胞 / Fluo-4 / 新奇物体認識試験 / GABA / 認知 |
研究開始時の研究の概要 |
K+-Cl-トランスポーターであるKCC2は、神経細胞内のCl-イオン濃度を調節して正常な神経活動を保持している。本研究ではX線やガンマ線を照射した神経細胞の分子生物学的解析、さらにマウスを用いた行動学的解析を実施する。これら解析から放射線治療後の神経障害を低減する治療の新たな標的としてのKCC2の重要性を検証することを目的としている。
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研究成果の概要 |
放射線治療はがんに対する有効な治療の一つである一方で、脳機能の低下を伴う恐れがある。一回あたりの線量を減らして複数回に分けて照射するなどの工夫が取られているが、生き残った神経細胞にどのような機能的変化を生じるか未だ不明な点も多い。本研究では細胞内から細胞外へ塩化物イオン濃度を排出しているカリウム-塩化物イオン共輸送タンパク質であるKCC2に着目し、放射線照射後のマウス神経細胞ではKCC2の発現が低下していることを明らかにした。さらに照射後のオキシトシン投与がKCC2の発現を促進し、放射線治療時の認知機能防護に有用な治療薬候補の一つであることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放射線治療は脳腫瘍の治療に有効な手段の一つである一方で正常な神経細胞にも影響を及ぼす恐れがあり、とくに若い患者ほど影響が顕著になるとされている。本課題では生後3-4週の幼若マウスに対して1.5Gyの線量を3日間繰り返して照射し、認知行動の低下とK-Cl共輸送タンパク質であるKCC2の発現低下を見出した。照射後にオキシトシンを投与したマウスにおいては認知行動の低下とKCC2の発現低下は見られなかった。オキシトシンは家族やペットとのスキンシップなど日常生活でも増加するとされており、本課題で得られた知見は、より安全な応用的治療開発に向けて役立てられるのではないかと期待される。
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