研究課題/領域番号 |
19K19211
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 (2020-2022) 東京歯科大学 (2019) |
研究代表者 |
渡邉 素子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (70778620)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 舌痛症 / 口腔異常感 / 慢性疼痛 / 味覚 / 中枢神経系 / 末梢神経系 / MRI / 脳画像 / 口腔異常感症 / 歯科心身症 / Central Nervous System / 脳機能 / 脳内ネットワーク / fMRI / 疼痛緩和 |
研究開始時の研究の概要 |
舌痛症は口腔内に明らかな器質的異常を伴わない慢性疼痛で、中高年の女性に多くみられる。本症ではヒリヒリ感などの灼熱感のみならず、「何となくおいしくない」「常に嫌な味がする」といった味覚の違和感、飴やガムによる疼痛軽減も散見される。また、脳血流SPECTを用いた研究から、口腔内の違和感と左右アンバランスな脳血流との関連が示唆されている。さらに、高濃度の甘味刺激による疼痛軽減が報告されており、本研究では、舌痛症患者を対象にfMRIを撮像し、味覚の違和感の有無別に、甘味刺激による疼痛の軽減と脳活動との関連を解析する。本研究の遂行は、多様な口腔内症状を呈する舌痛症の病態を解明する一助となると考える。
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研究成果の概要 |
本研究では、舌痛症の多彩な臨床症状のうち味覚の訴えに着目した。舌痛症では特定の味覚刺激で疼痛強度が増悪/緩和することや、味覚強度が病悩期間の長さや唾液分泌量の低下、抑うつ感や不確実さ不耐性の影響を受けることが示唆された。 さらに、口腔領域の疼痛を含めた感覚を支配する三叉神経に着目し、MRIを用いて研究を行い、中枢と末梢との中継地点におけるNeurovascular compression と口腔内症状との関連を解析した。その結果、NVCがない群ではより多彩で重篤な口腔内症状が認められ、類似の症状を呈する患者群においても、末梢優位性と中枢優位性の病態メカニズムが存在する可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果から、舌痛症の味覚と疼痛では、生理学的因子や神経学的因子だけでなく心理学的因子など多彩な因子が複合的に作用しており、舌痛症に対する心身医学的治療において、不確実さ不耐性へのアプローチも有用となる可能性を見出した。またMRIを用いた研究からは、口腔内の異常感覚について末梢から中枢にかけての病態探索を行い、その成果は病態解明の一助となり得ると考えられた。舌痛症患者の口腔内症状に関する因子を解明し、治療アプローチを考察することは、病態解明だけでなく治療法構築への貢献、ひいては患者の救済へとつながることが期待される。
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