研究課題/領域番号 |
19K19214
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
佐久間 要 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 講師 (70733319)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | PD-1 / 局所投与 / CD8 / 動注化学療法 / CTL / Granzyme B / PD-L1 / GranzymeB / 抗PD-L1抗体 / 超選択的動注化学療法 / 抗PD-1抗体 / CD8Tリンパ球 |
研究開始時の研究の概要 |
抗PD-L1抗体を浅側頭動脈から挿入した逆行性超選択的動注カテーテルより腫瘍部へ直接少量投与することで,高い抗腫瘍効果と,全身投与と比較して重篤な免疫関連有害事象(irAE)の軽減を目指す超選択的動脈注療法の開発である.実現により医療費の大幅な軽減が期待できる.抗PD-1抗体の場合,T細胞に作用するため全身投与が必要であり,irAEが高度に発症するという問題がある.そこで,癌細胞に発現するPD-L1に着目した.マウスモデルを用いて,抗PD-L1抗体薬の低用量局所投与と静脈全身投与の抗腫瘍効果およびPD-L1などの遺伝子発現を比較検討し, 発現変化量,irAEに関してT細胞浸潤で評価を行う.
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研究成果の概要 |
この研究では、マウスを使用して、少量の抗 PD-1 抗体の局所および全身投与の抗腫瘍効果、全生存期間 (OS)、およびがん周辺の免疫環境を調査した。 抗 PD-1 抗体は局所投与(30 mg/body)と全身投与(300 mg/body)をマウスで実験を行った。 投与開始29日後に腫瘍縮小率と抗腫瘍効果を調べた。 OS も他の各グループで比較された。 結果:局所低用量群と全身群は同じ抗腫瘍効果を示し、両群とも対照群と有意差を示した。 結論として 抗 PD-1 抗体の低用量局所投与は、通常用量の全身投与と同じ抗腫瘍効果と OS を示し、口腔癌における低用量局所投与が有用である可能性を示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、免疫療法は口腔がん治療の第4の柱として期待されている。 しかし、1 型糖尿病などの重篤な免疫関連有害事象 (irAE) が報告されている。 したがって、抗 PD-1 抗体を少量の動注療法で局所投与し、全身投与と同等の抗腫瘍効果が得られれば、irAE や医療費の削減につながると考えた。結果として、局所少量投与は、全身通常量投与と比較して非劣性であり、OSに関しても同等の結果であった。また、CD8やグランザイムを局所少量投与ではより強く腫瘍組織内に誘導している可能性があり、局所の少量投与は有用性が高い可能性が示唆された。これは、口腔癌における動注化学療法の有用性へ橋渡しになると考える。
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