研究課題/領域番号 |
19K19217
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
石川 敬彬 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (00825292)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 口腔癌 / フェロトーシス / 上皮間葉転換 / 酸化ストレス / xCT |
研究開始時の研究の概要 |
癌細胞は活性酸素の代謝や鉄代謝などのフェロトーシスと関わりが深い細胞シグナル変異を多く認める。特に生体の抗酸化ストレス機構の一因を担うシスチン輸送体xCTの過剰発現が一部の悪性腫瘍において発見されており、その阻害あるいは欠損は様々な臓器の癌細胞にフェロトーシスを誘導する。フェロトーシスは新たに提唱された細胞死概念であり、鉄依存的な活性酸素の発生による酸化ストレスによって引き起こされる新規の細胞死経路である。本研究は口腔癌細胞におけるフェロトーシス誘導メカニズムの解明とxCT発現量解析を行うことで、口腔癌におけるxCT標的治療の妥当性について検討を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では口腔癌の癌制御におけるフェロトーシス誘導剤の有用性について検討を行った。フェロトーシス誘導剤Erastinは口腔扁平上皮癌細胞株SASおよびHSC-2にフェロトーシスを誘導することが分かった。さらに、がんの悪性度の向上に貢献する上皮間葉転換の形質を持った口腔扁平上皮癌細胞はErastinによるフェロトーシス誘導の感受性が高いことが分かった。 これらの結果から、上皮間葉転換を利用して高度な浸潤・転移を起こす高悪性度の口腔癌の制御にフェロトーシスを利用した治療が有効である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、口腔癌患者は増加傾向を辿っている。口腔癌の切除療法は審美面、摂食嚥下機能などの多様な日常生活機能の著しい障害を伴う。そのため、保存的な治療法の開発が望まれている中で、本研究の成果は口腔癌の保存的治療として活用される化学療法薬の新たな選択肢としてフェロトーシス誘導剤が有用となる可能性を示した。また、さらにその効果が進行癌に対して通常より感受性が高い可能性があることを示した。
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