研究課題/領域番号 |
19K19219
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 北海道大学 (2022) 独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター(臨床研究部) (2019-2021) |
研究代表者 |
今待 賢治 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (40779873)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 血管新生阻害薬 / 抜歯 / 創傷治癒遅延 / 薬剤関連顎骨壊死 / 治癒遅延 / 創傷治癒 / 創傷治癒不全 |
研究開始時の研究の概要 |
血管新生阻害薬投与中の抜歯における創傷治癒遅延については、未だ不明な点が多い。血管新生阻害薬の休薬などはがん治療そのものへのデメリットとなりうるため、抜歯時の不要な休薬が回避できれば、がん患者にとって大きなメリットになると考える。研究は2期に大別し、第Ⅰ期は過去に血管新生阻害薬投与中で抜歯を施行した患者を対象に、診療録等を用いた後ろ向き研究を行う。第Ⅱ期は血管新生阻害薬投与中で感染など臨床的に抜歯が必要と判断した患者に対し、休薬下での抜歯もしくは投与継続下での抜歯に振り分け、それぞれについて治癒経過に関する調査や、骨治癒に関与しているHMGB1タンパク発現解析などの基礎的研究を行う。
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研究成果の概要 |
ベバシズマブ(以下、BV)投与中のがん患者における抜歯についての検討を行った。BV継続下とBV休薬下での抜歯では抜歯後有害事象について有意差は認めなかった。リスク因子の検討ではタキサン系抗癌剤の併用で有意にリスクが上昇した。下顎大臼歯や、骨削除などを伴う外科的抜歯においても有意にリスクが上昇した。また、症例を蓄積する中で、BV投与中に抜歯によらず自然発生的に顎骨壊死(薬剤関連顎骨壊死:MRONJ)を来した症例を3例認めた。いずれも骨修飾薬の併用はなく、それぞれ発生部位は下顎臼歯部、上顎臼歯部、口蓋隆起であった。3例中2例でタキサン系抗癌剤の併用があった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、血管新生阻害薬投与中の患者において、抜歯が必要になった際に休薬期間はどの程度必要なのか、そもそも休薬自体必要なのかなど不明な点が多いのが現状であった。血管新生阻害薬の休薬はがん治療そのものへのデメリットとなりうるため、徒に全ての抜歯症例で休薬するのではなく、症例によって抜歯前の不要な休薬が回避しうることが判明したのは社会的意義が大きいものと考えられる。本研究の成果は、がん患者に対する安全な歯科医療の提供に寄与することが期待される。
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