研究課題/領域番号 |
19K19222
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
齋藤 智昭 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (40833554)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ATAC-seq / スーパーエンハンサー / 口腔癌放射線耐性 / 口腔癌放射線感受性 / DAVID-GO解析 / モチーフ解析 / 放射線抵抗性 / non coding RNA |
研究開始時の研究の概要 |
スーパーエンハンサー(SE)は強力なエンハンサー領域であり、幹細胞をはじめ各組織の細胞系統を特徴付けるような遺伝子発現を制御する。癌の放射線耐性に関しても大きく関与していると考えられ、世界的にSEの検索・同定とその制御薬の開発競争が開始されたところである。本研究において全ゲノムワイドな解析により、口腔扁平上皮癌の放射線耐性に特異的なSEとそのターゲットであるmiRNA、long non code RNA、遺伝子等を検索・同定し、口腔扁平上皮癌の放射線耐性特異的な制御機構を検討すると共に、共通エンハンサーを制御して全ゲノムにわたり広範に放射線耐性を抑制し、治療効果を増強する薬剤の開発を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、HSC-3を放射線耐性細胞・KOSC-2を放射線感受性細胞として新規に同定した。放射線照射によって変化するエピゲノムの変化を網羅的に解析するために、ATAC-seq解析ならびにDAVID-GO解析、発現解析、motif解析を行った。adenylate cyclase 2 (ADCY2)が、HSC-3では放射線照射後に有意な発現増加が認められ、motif解析では、RUNX2がHSC-3細胞で照射後に、放射線照射でopenになる領域に濃縮されていた。他の癌腫では、RUNX2はSEを形成している報告もあるために、ADCY2やRUNXが、SE形成の中心となっている可能性も示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔癌に関しては、スーパーエンハンサーの制御などエピゲノムの変化から導いた放射耐性に関する報告はない。放射線耐性に関与するゲノムレベルの変化からの研究は、新規医学・医療技術を用いた研究であり、全ゲノム的で系統的な遺伝子・機能制御は、大きな発想の転換である。放射線治療耐性の克服は、担癌患者の長期社会復帰などを実現させる可能性があり、社会的意義も大きい。
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