研究課題/領域番号 |
19K19225
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
佐藤 友里恵 (山田友里恵 / 山田 友里恵) 新潟大学, 医歯学系, 助教 (20804537)
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研究期間 (年度) |
2021-11-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 末梢神経 / 神経再生 / Hedgehogシグナル / 血管周囲細胞 / Gli1 / 血管 / Hedgehog signaling / Hedgehog signal |
研究開始時の研究の概要 |
下歯槽神経の損傷はしばしば痛覚過敏・感覚閾値の低下という、相反する症状を引き起こす。この発症メカニズムは未解明で、有効な治療法はない。感覚の回復には神経線維の 正確な伸長が不可欠であり、軸索伸長制御機構の解明は、異常感覚出現・病態把握に必須である。神経発生中、Hedgehog(Hh)シグナルは神経線維の伸長を制御するシグナルの一つであり、そのシグナル活性のバランスが神経線維の走行を規定している。本研究では、Hhシグナル活性を人為的に不均衡化したマウスに下歯槽神経損傷を施し、Hhシグナル活性バランスと軸索伸長、さらにその後に続く感覚回復の関係を検討する。
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研究成果の概要 |
Hhシグナルが活性化指標している細胞[Gli1(+)細胞]が末梢神経の神経周膜と神経内鞘の両方で観察された。内鞘では、Gli1(+)細胞は血管に付随しているものとしていないものに分類された。神経損傷後、血管周囲のGli1(+)細胞はに増殖し、血管内皮細胞とともに損傷部位に集積した。Gli1(+)細胞特異的にHhシグナルを不活化したマウス(Smo cKO)では、傷害後、Smo cKOマウスは、神経再生の初期段階で、血管形成の乱れとともに、蓄積したGli1(+)細胞の数が有意に減少し、その後軸索の異常な伸展を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
末梢神経再生の分子メカニズムの詳細は分かっていない。そのため、神経損傷の根本的治療薬は現存しない。本研究では、損傷神経で活性化する、Hedgehogシグナルに着目して神経再生の分子機構の一部を明らかにした。Cre-loxPシステムを用いて神経再生過程におけるHhシグナルの発現時期と部位を、自由にコントロールし、Hhシグナルのバランスの揺らぎを人為的に再現する実験系を用いた。これによりHhシグナルの神経再生における詳細なメカニズムを検討することができた。本研究で得られた知見は神経の再生機構に基づく新たな末梢神経再生治療法の確立に寄与する可能性がある。
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