研究課題/領域番号 |
19K19229
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中川 記世子 大阪大学, 大学院歯学研究科, 招へい教員 (70827419)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 鼻咽腔閉鎖機能 / 口蓋裂 / 咽頭弁移植術 / 口蓋帆挙筋 |
研究開始時の研究の概要 |
鼻咽腔機能とは軟口蓋挙上および咽頭後壁・側壁の運動にて成り立つもので、構音時は気流の調節、嚥下時には食物の鼻への漏出を防止する運動である。鼻咽腔閉鎖不全になると構音・嚥下などに対して不利となる。術後に鼻咽腔閉鎖不全を生じる口腔外科的手術には口蓋形成術や口腔悪性腫瘍(上顎がん・上顎洞がん)切除術がある。 従来より鼻咽腔閉鎖不全症に対する手術(咽頭弁移植術)が施行されてきたが、睡眠時無呼吸症候群の原因となることや非常に侵襲が大きいことなどの弱点を持つ。そこで、今回我々は大きな侵襲の手術を使用せずに鼻咽腔を狭小化する方法を新たに開発するために、鼻咽腔閉鎖力に関しての生理学的研究を行うこととした。
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研究実績の概要 |
鼻咽腔機能とは軟口蓋挙上および咽頭後壁・側壁の運動にて成り立つもので、構音時には気流の調節、嚥下時には食物の鼻への漏出を防止する運動である。鼻咽腔閉鎖不全になると構音・嚥下などに対して不利となる。術後に鼻咽腔閉鎖を生じる口腔外科的手術には口蓋形成術や口腔悪性腫瘍(上顎がん、上顎洞がん)切除術がある。従来より鼻咽腔閉鎖不全症に対する手術(咽頭弁移植術)が施行されてきたが、睡眠時無呼吸症候群の原因となることや非常に侵襲が大きいなどの弱点がある。そこで、今回我々は大きな侵襲の手術を使用せずに鼻咽腔を狭小化する方法を新たに開発するために、鼻咽腔閉鎖力に関しての生理学的研究を行うこととした。イヌの実験モデルを用いて、鼻咽腔に脂肪組織移植または生物由来製品の注入を行うことで開大した鼻咽腔の物理的狭小化をはかることが鼻咽腔閉鎖不全の解消を目指した新な手術法となるという仮説を立てて、それを検証することである。鼻咽腔閉鎖の研究では、動物を使った基礎研究をしている報告があまり見られない。これは、他の研究施設で行うには動物の鼻咽腔の解剖、鼻咽腔の生理的な機能に関して周知がなされていないからではないかと考える。一方で我々の研究室では、現在に至るまで鼻咽腔閉鎖の研究、口蓋帆挙筋の性質に関する生理学的研究を実験動物としてイヌを用いて施行してきた。イヌは先天的に鼻咽腔閉鎖不全を有しており、鼻咽腔閉鎖不全の条件での研究ができることが明らかである。このように実験動物の鼻咽腔閉鎖のメカニズムを詳細に報告してきた我々の研究室において、鼻咽腔への注入を基礎実験として行うことは効率が良いと考える。現在までに軟口蓋鼻腔側への注入が最も効率的であり、生体組織として脂肪組織の注入が最もよいという結果を得ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍のあおりを受けて、物品や薬剤の入荷がなかったことやテレワークでの勤務となったことより、当初より遅れが生じてしまっている。
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今後の研究の推進方策 |
口蓋裂および口腔がん術後に生じる鼻咽腔閉鎖不全に関しては、長期間の言語訓練や口腔内装置装着、侵襲の高い治療である咽頭弁移植術といった身体的負担が大きい治療法のみが選択肢となっている。一方で、本研究で確立を図っている鼻咽腔壁への注入に関しては、根本的な鼻咽腔形態を変化させることなく、また睡眠時無呼吸を生じる可能性も低く、手術自体の侵襲も非常に低く、多数の患者のためにも、できるだけ負担の少ないより良い治療法の確立が待たれる。そこで、本研究において効率の良い鼻咽腔閉鎖法について実験していくこととしている。現在までに軟口蓋鼻腔側へ注入を行うことが最も効率の良い方法であることが分かった。令和3年度;いったん軟口蓋形成を行った後に 6か月経たモデルを用い、瘢痕形成または口蓋帆挙筋を再構築した状態の軟口蓋であっても閉鎖可能な条件(瘢痕に対する処理)について探索する。令和4年度;瘢痕または口蓋帆挙筋を再構築した状態の軟口蓋に対して、鼻腔側へ脂肪やヒアルロン酸などのフィラーを注入することにより、最も効果のある条件はなにかを探索する。コロナ禍でテレワークが増えたため、実験を実際にすることが難しかったため、筋再構築に関し臨床論文の記載を開始した。 令和5年度;鼻腔側への注入は脂肪が最もよいということを令和4年度の研究にて再確認したが、安定性がよくなかった。今後はさらに脂肪を遠心分離するなど他の方法で注入した場合の反応について研究していくとともに、筋分化をし得る脂肪由来幹細胞を足場となる材料(①脂肪幹細胞とハイドロゲル混合液②脂肪由来幹細胞と脂肪組織③脂肪組織は2ml軟口蓋)と注入し、鼻咽腔閉鎖機能を評価し、口蓋帆挙筋の強化が可能であるかを検討する。
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