研究課題
若手研究
成体における骨髄間質細胞は、間葉系幹細胞としての機能を有しており、骨芽細胞をはじめとする間葉系細胞に分化することで、骨折などの損傷時の組織再生に寄与する。骨髄間質細胞は胎生期の間葉系凝集やその周囲の軟骨膜の細胞に由来すると言われているが、その詳細な分化過程は明らかにされていない。今回申請者は、間葉系凝集由来および軟骨膜由来の骨髄間質細胞が生体骨髄において異なる機能を果たすという仮説を立て、それぞれに由来する細胞をタモキシフェン誘導性に時期特異的に標識するCreERマウスを用い、一細胞レベルでのゲノムワイドな網羅的解析を行いこれらの骨髄間質細胞の基本的な性質を明らかにする。
成体における骨髄間質細胞は、間葉系幹細胞としての機能を有しており、骨芽細胞をはじめとする間葉系細胞に分化することで、骨折などの損傷時の組織再生に寄与する。骨髄間質細胞は胎生期の間葉系凝集やその周囲の軟骨膜の細胞に由来すると言われているが、これらの異なる起源の細胞がどのように多様な骨髄間質細胞群の構築に寄与しているかはこれまでに明らかにされていなかった。本研究では胎生期の軟骨原基を構成する細胞と周囲の軟骨膜細胞が骨格系細胞を形成する過程を細胞系譜追跡によって明らかにした。さらに最終的に構成された骨髄間質細胞の多様性をその発生起源とともに解明した。
近年のシングルセル解析の発展により、骨髄間質細胞を含む骨格系細胞の多様性の解析が進んでいる。しかしながら、骨髄間葉系幹細胞の候補と言われている骨髄間質細胞についてはその起源は正確には分かっていなかった。本研究成果により、骨髄間質細胞の二つの起源となる細胞が明らかになった。このことにより、骨格の発生、成長過程における、細胞の系譜が明らかとなり、発生生物学研究や幹細胞研究の発展に寄与する。
すべて 2021 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 9件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 4件)
Journal of Bone and Mineral Research
巻: 36 号: 6 ページ: 1145-1158
10.1002/jbmr.4282
Methods in Molecular Biology
巻: 2308 ページ: 83-94
10.1007/978-1-0716-1425-9_7
Nat Commun.
巻: 11 号: 1 ページ: 332-332
10.1038/s41467-019-14029-w
Bone
巻: 136 ページ: 115359-115359
10.1016/j.bone.2020.115359
Current Osteoporosis Reports
巻: 18 号: 3 ページ: 189-198
10.1007/s11914-020-00572-9
Oral Dis
巻: 26 号: 2 ページ: 391-400
10.1111/odi.13249
Clinical Anatomy
巻: 33 号: 2 ページ: 223-231
10.1002/ca.23456
Cell Stem Cell
巻: 25 号: 1 ページ: 23-38.e8
10.1016/j.stem.2019.04.004
巻: 34 号: 8 ページ: 1387-1392
10.1002/jbmr.3719