研究課題/領域番号 |
19K19257
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
前田 敏博 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (50792149)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 骨細胞 / 機械的刺激 / RANKL / PPP1r18 / Plectin / アクチンリモデリング / plectin / 破骨細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
矯正的歯の移動で認められる骨吸収は、機械的刺激を感知した骨細胞が産生するRANKLが破骨細胞分化を促すことにより生じる。しかし、機械的刺激に応答した骨細胞のRANKL発現の分子メカニズムは不明である。申請者らは、アクチン関連因子plectinとPPP1r18が、破骨細胞の分化を 制御する新規因子であること、機械的刺激が負荷された骨細胞におけるアクチンリモデリングが、RANKL発現を促すことを明らかにした。以上の知見から本研究では、機械的刺激により促される骨細胞の RANKL 発現における、 plectinとPPP1r18の機能とアクチンリモデリングとの相互 作用の解明を行うこととした。
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研究成果の概要 |
確立したライブイメージング実験系を用いることで、機械的刺激負荷を感知したカルシウム応答陽性骨細胞においては、アクチンリモデリングと細胞形態の変化を生じることを明らかとした。また、同様の機械的刺激負荷装置を用いることで、機械的刺激負荷によってプライマリー骨細胞のRANKLのmRNA、タンパク質の発現が上昇した。さらに、機械的刺激負荷を受けたプライマリー骨細胞と破骨細胞前駆細胞との共培養実験により、機械的刺激負荷を受けた群では、破骨細胞の分化を促進することを明らかとした。機械的刺激が骨細胞におけるplectinとPPP1r18の発現に影響を与えることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、機械的刺激による骨細胞におけるRANKL 発現増加の分子メカニズム解明のため、これまで骨細胞における発現と機能が未知なplectin と PPP1r18 に着目し解明を行う点に独自性がある。本研究により、骨細胞のmechanotransduction メカニズムの解明につながることが期待される。 本研究による機械的刺激が促す破骨細胞分化の分子メカニズムの解明は、健常者だけでなく、大理石骨病や骨粗しょう症への薬物療法など、歯の動きが遅延することが知られる症例における矯正歯科治療の効率化にもつながり、本研究は臨床応用への展開が期待される基礎研究として、大きな意義を持つ。
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