研究課題/領域番号 |
19K19261
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
喜田 壮馬 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (40822515)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 顎変形症 / 上気道 / 流体力学 / 気道 / 流体解析 / 外科的矯正治療 / 上顎移動術 / 上下顎移動術 / 呼吸機能 / CFD / 外科矯正 |
研究開始時の研究の概要 |
骨格性下顎後退症患者に適用される下顎骨前方移動術においては、術後の下顎骨の後戻りに伴う上部気道の狭窄が指摘されている。しかし、この気道狭窄が単なる形態的変化にとどまるのか、機能的な変調を伴うのかは不明である。また、外科的矯正治療が通気に与える影響に対して、計算流体力学が応用される機会が増えつつあるものの、機能的評価は未だ不十分である。本研究では、下顎骨周囲筋や顎関節への影響が少ないと考えられる『下顎骨のオートローテーションを用いた上下顎移動術の安定性および上部気道への形態的・機能的影響を解明する』ことを本研究の具体的な目的とし、睡眠呼吸障害に対する新規治療法となり得るかを検討する。
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研究成果の概要 |
顎矯正手術による上気道の形態変化と鼻腔呼吸機能の変化が注目されている。特に鼻咽腔狭窄については、上下顎の変化が複雑に影響し合うため、睡眠・呼吸機能に大きな影響を与える可能性があるが、機能的評価は不十分である。そこで、狭窄により呼吸機能が悪化し気道抵抗が大きくなる可能性のある、上顎後上方移動を伴う手術の影響について、計算流体力学を用いて解析した。結果、術前に比べ術後の圧力損失は減少した。また咽頭部に関して断面積については変化率が1に近いものの圧力損失が小さかった。従って現行の手術方法は、機能面においても妥当な手術計画であると考えられ、望ましい気道形状に関しても流体力学的観点から知見が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨格性下顎後退症に適用される従来の下顎骨前方移動術は術後安定性に不安があり、変形症顎関節症や進行性下顎頭吸収による後戻りに伴う気道狭窄が危惧されてきた。その狭窄は単に形態的変化であるのか、機能的な変調を伴うのか不明で、閉塞性睡眠時無呼吸症誘発の可能性も問題視される。それらに対応した術式として、下顎を離断せず下顎骨を前方移動させるMAC surgeryが考案された。MAC surgeryは上顎骨後上方移動による狭窄が懸念される一方、下顎骨前方移動で咽頭部は拡大するため、通気への影響を計算流体力学で評価する。その結果を元に、気道に影響を与える術式を解明することで、新たな術式の開発も可能となる。
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