研究課題/領域番号 |
19K19277
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
横田 聖司 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (50802401)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 変形性顎関節症 / P2Y受容体 / 細胞外ヌクレオチド / ADP / 顎関節由来線維芽細胞様滑膜細胞 / 滑膜細胞 / ダメージ関連分子パターン / プリン受容体 / ERK |
研究開始時の研究の概要 |
変形性顎関節症(temporomandibular joint-osteoarthritis: TMJ-OA)は、慢性炎症を伴う軟骨の変性、骨の空洞化や顎関節の線維症などの様々な症状を引き起こすが、その発症機序については不明な点が多い。特にTMJ-OAの軟骨・骨変形症の発症機構については、現在まで不明である。 そこで顎関節由来滑膜細胞 fibroblast-like synoviocytes (FLSs)による破骨細胞誘導機構を解明することにより、軟骨・骨変形症の発症に必須なターゲット分子を同定し、顎関節における線維症阻害剤と軟骨・骨変形症阻害剤の併用によるTMJ-OAの根治療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
FLS細胞においてRT-qPCR法により、P2Y1、P2Y12、および P2Y13受容体のアゴニストであるADPがMCP-1/CCL2 のmRNAレベルでの発現量を有意に促進することを明らかとした。さらに、P2Y13受容体のアンタゴニストであるMRS 2211をFLS細胞に作用させると、ADP誘導性MCP-1/CCL2の発現量が有意に減少した。ADPをFLS細胞に作用させるとERKのリン酸化が増強されることも確認された。また、ERKキナーゼとしてのMEK阻害剤であるU0126をFLS細胞に前投与すると、ADP誘導性のMCP-1/CCL2の発現量が有意に低下することが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞外ヌクレオチドの一種であるADPはMEK/ERK依存的にP2Y13受容体を介してFLS細胞におけるMCP-1/CCL2のmRNAレベルでの発現量を促進しその結果、顎関節周囲における炎症性細胞浸潤を引き起こすことが示唆された。以上の結果より、本研究は顎関節周囲炎の発症に関する分子メカニズムの部分的な解明に貢献し、TMJ-OAにおけるADP誘導性プリン作動性シグナル伝達経路を介する根本的な治療方法の確立に役立つと考えられる。
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