研究課題/領域番号 |
19K19280
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
林 勇輝 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (10756547)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 歯髄再生 / 歯髄幹細胞 / 小児歯科学 / 再生歯科医療 / 細胞遊走因子 / 幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの研究の成果から、歯髄再生誘導因子・象牙質再生誘導因子の同定は行えたが、因子単独での再生にまでは至れていない。つまりこれらの因子を混合し使用することが歯髄・象牙質再生には必要なのではないかと推定される。そこで、異所性歯根移植モデルを利用し、in vivoにおける、それぞれの濃度と混合比率をスクリーニングする。さらに、より臨床に近い生活歯髄切断モデルによって、決定した比率での有効性を明らかにすることを目的に本研究を行う。
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研究成果の概要 |
in vivoにおいて、CXCL14, MCP1単独の移植ではほとんど歯髄再生を起こさなかった。CXCL14, MCP1の混合液による移植後には根管全体の5割程度に再生歯髄様組織が見られた。根管の開口部には炎症性細胞が非常に多く観察され、根管壁に近い部分および根管上部は石灰化および線維化が強い間質が多く観察された。血管は因子単独での移植の組織と比して増加しているものの、非常に疎であった。CXCL14, MCP1の混合液に対しさらにCCR3アンタゴニストを混合し移植すると、根管全体の7割程度に再生歯髄様組織が見られた。血管新生量は両者の混合では変わらずCCR3を混合して初めて有意に増加した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
断髄の目的は、健康な歯根部歯髄を残し、乳歯においては生理的な根吸収による後継永久歯への正常な交換、幼若永久歯においては生理的な根の完成を促すことにある。現在、断髄面への貼薬剤として水酸化カルシウム製剤が応用されているが、歯髄における炎症範囲の診断の困難性から、多くの症例で内部吸収が生じ、再歯髄処置あるいは抜歯となってしまう場合もある。そのため、遊走促進能・抗炎症作用・象牙質分化促進能を備え、より有効性の高い貼薬剤の開発は急務と言える。本研究結果により、CXCL14, MCP1単独ではなくCCR3アンタゴニスト混合により歯髄再生が促進されうることが分かった。
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