研究課題/領域番号 |
19K19283
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井田 裕人 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (20746979)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
|
キーワード | 金属表面処理 / オッセオインテグレーション / 生体力学的評価 / 生体安全性 / インプラント表面処理方法 |
研究開始時の研究の概要 |
チタン合金は、金属製医療用生体埋入材料として広く用いられており、優れた特性を有するが、骨組織との結合能や表面特性には改善の余地がある。このような問題を解決し、埋入初期から骨形成能に優れ、長期にわたって生体組織の代替材料となりうる材料の開発のため、我々はチタン合金表面にCa修飾を行う方法を開発した。本研究では新規のCa修飾技術を用いて作製した金属を用いて、物性試験、細胞試験およびビーグル犬への埋入試験を行ない、金属の骨形成能と安定性および生体安全性について評価し、チタン合金表面へのCa修飾の有用性を明らかにし、臨床応用へ橋渡しすることを目指す。
|
研究成果の概要 |
Ca修飾法の有用性を確認するため、スクリュー表面構造の評価を行なった。また、スクリューをビーグル犬顎骨に埋入し、埋入・撤去トルク、動揺度の計測によるスクリューの安定性の評価、アリザリンレッド染色によるスクリュー表面付着物の評価、組織切片、動物用CTによる骨形態計測を行なった。さらに、生体毒性試験として金属試験片による溶出試験、ビーグル血液内における残留金属元素濃度の計測を行い、生体材料としての安全性を評価した。 これらの実験結果から、Ca修飾法は、酸エッチング処理を組み合わせることにより、高い骨形成能と生体内安定性を示すことが明らかとなり、有用なスクリュー表面処理方法であることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、チタン合金製スクリューの周囲の骨形成を促進させ、骨結合の強くなる技術の開発が目的である。製品段階でCa修飾を行った歯科矯正用アンカースクリューは、埋入時点でチタン合金表面にCaが存在することから、埋入初期から高いアパタイト形成能を有し、骨形成能に優れた材料であることが明らかとなった。 チタン合金へのCa修飾技術を応用した材料の開発は、申請者らのグループでしか為し得ない極めて独自性を有した研究である。また、この技術を人工関節に応用すると、人工関節の挿入部が残部の骨と強固に融合することが可能となるなど、医科領域においてもより優れた生体材料としての使用が見込まれる。
|