研究課題/領域番号 |
19K19288
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
北見 公平 新潟大学, 医歯学系, 助教 (20804579)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 矯正歯科 / 歯根膜 / プライマリーシリア / 矯正学的歯の移動 / 力学的負荷 |
研究開始時の研究の概要 |
歯列矯正で行う歯の移動は、歯と顎の骨を繋ぐ靭帯組織である歯根膜を介して制御されている。しかし、歯根膜の細胞がどのように外からの力を感知し、歯の移動を制御しているかについては依然として不明な点が多い。本研究は、歯根膜の細胞が発現しているアンテナ様の構造・プライマリーシリアに着目し、外力に対する新たな細胞応答メカニズムを明らかにしようとするものである。本研究計画では、歯根膜特異的にプライマリーシリアを欠失する新規動物実験モデルを構築し、高精度な組織学的解析を行う。
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研究成果の概要 |
歯根膜は生体の中でも力学的負荷に対して極めて鋭敏に反応する組織であるが、歯根膜の細胞がどのように力学的負荷を感知し、歯周組織の維持・改変を制御しているかについては依然として明らかでない。本研究では、細胞表面に突出した小器官で、シグナル受容体が集積するプライマリーシリアの組織内偏在と、矯正力負荷に伴う、プライマリーシリアの発現頻度の減少傾向を明らかにした。また組織改変に必要な歯根膜幹細胞が、根尖周囲から歯根膜全体に波及する様子が観察され、歯根膜全体の組織改変と、プライマリーシリア発現頻度の減少との関連性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯根膜は周囲を硬組織に囲まれた非石灰化組織であり、咬合力を受け止める緩衝領域と機能しながら、歯周組織の恒常性維持の中心的役割を担っている。対合歯抜去による咬合力負担の喪失など、力学的刺激を失った歯根膜は廃用性萎縮を起こし、その機能を十分に発揮できなくなることは知られている。それにもかかわらず、力学的刺激を歯根膜はどのような機序で受容し、どのようなプロセスで歯周組織のリモデリングをコントロールしているのかについて、その詳細は未だ不明である。本研究は、歯根膜組織の力学的負荷受容メカニズムの一端を明らかにすることで、歯根膜の維持や再生を可能とする治療法の基礎となるものである。
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