研究課題/領域番号 |
19K19296
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山本 多栄子 広島大学, 医系科学研究科(歯), 研究員 (10823198)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 歯根吸収 / アセトアミノフェン / 歯髄細胞 / hDPC / COX / IL-1β / TNF-α / RANKL / M-CSF |
研究開始時の研究の概要 |
歯根吸収は、矯正歯科治療において最も懸念される偶発症の一つであるが、その原因と対処法は未だ明らかにされていない。我々はこれまでに根尖部歯髄組織の炎症反応により歯根吸収が惹起される可能性を見出した。一方、アセトアミノフェンは弱い抗炎症効果を有し最近になりアセトアミノフェンのCOX-2阻害による抗炎症作用についての報告が散見されるようになった。 本研究では矯正歯科治療の偶発症の一つである歯根吸収に対し、アセトアミノフェンの末梢における抗炎症作用によってその発症が予防できるか否かを検討するとともに、アセトアミノフェンの抗炎症効果の作用機序として COX-2との関連性を明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
矯正歯科治療時に生じる歯根吸収に対して、アセトアミノフェンがどのようなメカニズムによって効果をもたらすか解明するため、機械的伸展刺激存在下における歯髄細胞の発現する様々な因子に及ぼすアセトアミノフェンの影響を検討した。その結果、アセトアミノフェンは伸展刺激を負荷した歯髄細胞における炎症性サイトカインや破骨細胞分化因子の発現を、COXを阻害することにより抑制することが明らかとなった。さらにラットを用いた組織学検討において、歯の移動時の根尖部歯髄組織における炎症反応に対して、アセトアミノフェンがその反応を抑制させることが示唆され、矯正歯科治療中における歯根吸収を抑制する可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アセトアミノフフェンの抹消でのメカニズムを明らかにすることは学術的創造性が高く、矯正歯科治療において、より安全性の高い薬剤による歯根吸収の抑制が可能となり、臨床上きわめて価値が高いものと考えられる。そして、硬組織の吸収は歯根のみならず、人体の様々な部位で認められる現象のため他の病態の治療にも繋がる可能性があり、歯科医学の進歩に大きな貢献を果たすものと考えられる。
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