研究課題/領域番号 |
19K19301
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
品川 令 明海大学, 歯学部, 助教 (90818296)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 再生医療 / 唇顎口蓋裂 / 臍帯由来間葉系幹細胞 / 口蓋裂 / 再生 / 骨 / 幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
唇顎口蓋裂児の顎裂は、口腔の形態と機能の異常の原因となる。我々は、歯肉骨膜形成術(GPP)により早期の顎裂閉鎖を行ってきた。GPPは、主に乳児期に顎裂部を両側の骨膜弁により被覆し、骨架橋形成を促すことを目的とした手術である。GPPにより、口腔機能の正常な発達や、顎裂への舌の侵入防止を早期に実現することが期待できる。しかし、顎裂部の三次元的評価から、必ずしも骨形成量が十分でない例もあった。そこで我々は、採取が容易で患児や母体への侵襲もない臍帯由来幹細胞の移植による顎裂部骨架橋形成促進を考えた。本研究課題では更に、他種由来成分を省き、臨床応用に向けたより安全かつ実践的な基礎技術の確立を目標とする。
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研究成果の概要 |
唇顎口蓋裂児の顎裂は、口腔の形態と機能の異常の原因となる。近年、唇顎口蓋裂児の早期顎裂閉鎖を目的として、口唇形成術施行時に歯肉骨膜形成術(GPP)が行われている。GPPにおいて、間葉系幹細胞(MSCs)を用いた再生医療により、顎裂間の骨架橋形成の改善が期待できる。本研究では、顎裂モデルラットへの移植によるヒト臍帯(hUC)由来MSCsの骨形成能を検討した。hUC由来細胞は、in vitroにおいてMSC遺伝子/表面抗原の発現と多分化能を示した。マイクロCTおよび組織学的染色の結果、in vivoにおいてhUC由来細胞は担体単独移植よりも多くの骨形成を誘導した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨髄液とは異なり、臍帯はその採取が極めて容易で、患児や母体に対する侵襲性もないため、臨床応用を想定した時の利便性に優れている。また、従来MSCsの培養にはウシ胎仔血清(fetal bovine serum: FBS)含有培養液が多用されているが、FBSの使用は、プリオンや病原性ウイルスなどの未知の感染因子の混入や免疫反応などのリスクを伴う可能性がある。異種成分を含まない(ゼノフリー)無血清培養臍帯由来幹細胞を使用した顎裂部骨再生の臨床応用が可能となれば、唇顎口蓋裂児のQOL向上に繋がる。本研究で得られた知見は、唇顎口蓋裂以外の歯槽部骨欠損の再建を目的とした歯科の再生医療においても有用である。
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