研究課題/領域番号 |
19K19315
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
藤原 奈津美 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (50596913)
|
研究期間 (年度) |
2021-11-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | Fusobacterium / 口腔癌 / 口腔ケア / Fusobacterium nucleatum / partial EMT |
研究開始時の研究の概要 |
口腔の細菌は虫歯や歯周病のみならず、全身疾患への影響が着目されている。最近、歯周病の原因菌であるフゾバクテリウムが大腸癌の発生に関わることが報告された。しかしながら、フゾバクテリウムが口腔の癌の発生や進展に及ぼす影響は未だ報告されていない。本研究では口腔癌患者より分離したフゾバクテリウムを用いて、口腔癌細胞への影響を詳細に解析する。本研究成果は新たな発癌機構を提唱でき、口腔ケアが口腔癌の予防に有効であることを示すことができ、患者や国民に口腔ケアの重要性を広く享受できる。
|
研究実績の概要 |
最近、歯周病原因菌であるFusobacterium nucleatumが大腸癌の発生や進展に関わることが報告され注目されている。口腔癌組織においても次世代シーケンサーを用いた細菌叢解析によりF. nucleatumの占有率が高いことが示されているにも関わらず、F. nucleatumが口腔癌の発生や進展に及ぼす影響は未だ報告されていない。本研究では、口腔癌患者の腫瘍部位より細菌を採取し、細菌叢の解析を行うとともに、F. nucleatumを分離し、in vitroで口腔癌細胞と共培養することで増殖や走化能に対する影響や遺伝子発現解析を行い、対照群である健常者群との比較を行うことを目的としている。 今年度は、口腔外科に受診した口腔癌患者に十分な説明と同意を得たうえで、被験者としての協力を要請し、臨床分離株の採取を実施した。スワブ法により被験者の健常部、腫瘍部表面に付着している細菌を採取した。腫瘍摘出時に、腫瘍深部の細菌採取も行った。また、被験者の残存歯数、義歯使用、舌苔付着評価、口腔衛生状態の評価を基礎資料として調査した。Fusobacterium属の分離・同定方法を確立し、現在までに5人のサンプリングを終えた。一部の被験者からFusobacteirum属が検出され、また腫瘍深部からも検出された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
一定のサンプル量を集積するのに少々時間を要している。そのため、本年度は臨床検体(スワブで採取したサンプル)の細菌叢解析まで実施する予定だったが実施されていないため、次年度より鋭意実施予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
臨床分離株のサンプリング集積を継続するとともに、細菌叢解析を鋭意実施する。 口腔癌患者および健常者から分離したF. nucleatumにおいて、大腸癌の発生・進展に関与することが報告されているFadAおよびFap2の遺伝子発現をReal-time PCRにより検討する。 これまでに研究代表者は、F. nucleatumと口腔癌細胞を共培養すると、上皮の性質を呈した癌細胞がpartial-EMTを惹起し浸潤能を高めることを報告してきた(Sci.Rep., 2021)。臨床分離したF. nucleatumと口腔癌細胞を共培養することで同様の現象が観察できるのかの検証も併せて行うことを計画している。
|