研究課題/領域番号 |
19K19317
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
片岡 正太 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (40808010)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 酸素ナノバブル / 次亜塩素酸ナノバブル / 口腔細菌叢 / 口腔保湿剤 / 口腔洗口剤 / メタゲノム解析 / 誤嚥性肺炎 / オゾンナノバブル |
研究開始時の研究の概要 |
オゾンナノバブル水を応用して、誤嚥の疑いや有病・多剤服用高齢者に対して使用可能な殺菌性口腔ケア用保湿剤を開発することを目的とする。 近年、オゾンナノバブル水の様々な口腔内細菌に対する殺菌作用が報告されている。本研究ではオゾンナノバブル水に粘稠性を付加することにより、持続的に口腔内で、殺菌性・保湿性を発揮する口腔ケア用保湿剤の製作をおこない、その有効性の検討をおこなう。これにより、医療関連施設における誤嚥性肺炎の発症防止に貢献できると期待される。また、オゾンによる殺菌作用は耐性菌を発生させる恐れがないため、MRSAやVRSAなどによる院内感染問題の解決の一助になると期待される。
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研究成果の概要 |
酸素NBWと次亜塩素酸NBW(O2-NBW・HOCl-NBW)を使用し、口腔細菌叢に及ぼす影響を検討した。16SrRNA分析では、細菌叢の多様性に大きな影響を与えないことが明らかになった。主座標分析により、軽度歯周病:4mmの歯周ポケットの多い群で、HClO-NBWの曝露がバイオフィルム形成に関与するPorphyromonas pasteriを減少させることが明らかになった。全体として、HOCl-NBW曝露は、口腔内細菌叢全体のバランスを維持しながら、バイオフィルムの形成を抑制させる可能性があることが明らかになった。この結果は、口腔感染症予防のための洗口液の開発につながる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
当研究により、これまで歯科臨床で検討されていなかった2種のNBW:酸素NBW・次亜塩素酸NBWについて、次世代シーケンサー解析を含む複数のアッセイ法を使用することで口腔細菌叢に及ぼす影響が明らかにすることができた。本結果の意義として、1)抗菌薬によらずに細菌の増殖を抑制できるため、薬剤耐性菌の出現頻度を抑えることができる可能性、2)口腔バイオフィルム形成に作用することが示唆され、歯面清掃が困難なケースでの洗口への応用が考えられる点、3)口腔細菌叢のバランスを維持できるため免疫力が低下した高齢者や要介護者の日和見感染症の予防に応用できる可能性が考えられた。
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