研究課題/領域番号 |
19K19321
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
北村 啓 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (90792367)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 摂食嚥下 / 機能解剖学 / リハビリテーション / 運動器 / 喉頭蓋谷 / 粘膜下組織 / ヒト / 解剖学 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の超高齢化に伴い、老化による運動機能低下が誤嚥を惹起する原因として問題になっている。申請者は献体を対象とした研究から、喉頭蓋谷の粘膜下が舌筋と喉頭蓋軟骨、それらを接合する腱により構成されていることを見い出した。この結果から、『老化による舌筋の器質的な変化 → 舌筋の筋力 低下による喉頭蓋の後傾 → 喉頭蓋谷後壁の平坦化』 という安静時の誤嚥の新たな 発症機序を考えた。本申請課題の目的は、加齢による舌筋ー腱ー喉頭蓋軟骨の形態変化が嚥下機能に与える影響を解明することである。また、喉頭蓋谷の加齢変化を基礎医学的に 解明することで誤嚥防止に貢献をし、健康寿命の延長にも波及効果があると考える。
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研究成果の概要 |
オトガイ舌筋の後方部は舌骨の上部で腱に置換され喉頭蓋軟骨の舌面に付着していた。この腱はGlossoepiglottic tendonと名付けられ我々が初めて発見した構造である。また、Glossoepiglottic tendonと舌骨の間には組織を含まない間隙があり、Glossoepiglottic tendonと舌骨が別々の運動を行うことを可能にしていた。以上の結果からオトガイ舌筋はGlossoepiglottic tendon通じて喉頭蓋を前方へ牽引する機能をもち、安静時における喉頭蓋の自立を支える抗重力筋である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、『安静時における不顕性誤嚥はなぜ起こるのか。』という疑問に対して形態学的な見解を示した報告はなく、この問題を解決するためには喉頭蓋が自立するメカニズムを明確に記す必要がある。本実験では喉頭蓋の前方に走行するオトガイ舌筋が喉頭蓋軟骨の舌面に付着していることを発見した。この構造は喉頭蓋を自立させるための唯一の筋付着であり、不顕性誤嚥を起こさないためのリハビリテーションに舌のトレーニングが重要であることを示唆している。
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