研究課題/領域番号 |
19K19331
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
藤下 あゆみ 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (30755723)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 機能低下 / マウス / オーラルフレイル / ボツリヌストキシン |
研究開始時の研究の概要 |
高齢期口腔保健活動では近年、オーラルフレイルの概念が注目されている。 オーラルフレイル予防の直接の対象者は高齢者であるが、小児期に適切な機能獲得が行われず、不正咬合等の形態異常を有する若年者は、高齢期のオーラルフレイルのリスクも高くなることが予想される。したがってオーラルフレイル予防において、若年期からアプローチを行うことは効果的であると思われる。しかしながら、その診断のアルゴリズムや予防法・治療法等は未だ検討段階にある。 本研究では、ボツリヌストキシンの咀嚼筋注入により成体期・若年期オーラルフレイルモデルマウスを構築し、その機能および形態変化の指標を明らかにして予防法および治療法を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究は咀嚼筋にボツリヌストキシンを注入したオーラルフレイルモデルマウスを構築し、その顎顔面形態や顎口腔機能にみられる変化の指標を明らかにすることでオーラルフレイルの予防および治療法を検討することを目的としている。経時的な形態データ解析に、筋活動および顎運動の機能的解析所見を加えることで、機能と形態の相互関係の検証も行った。 形態データ解析に関しては、ボトックス注入側および非注入側、コントロール群における比較で下顎頭をはじめとする下顎骨形態に有意な差を認めた。機能的解析においては、ボツリヌストキシンを注入した筋の十分な筋活動低下と顎運動への影響を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
成長期での悪習癖は、顎顔面領域の成長発達、咀嚼、嚥下、呼吸、発音などの顎口腔機能構築にも悪影響を及ぼすことが知られている。本研究結果では、成長期の顎口腔機能低下モデルにおいても悪習癖同様に顎顔面形態および機能の指標に変化が認められた。若年期の顎口腔機能低下により顎顔面形態の発育および顎口腔機能の獲得に悪影響がもたらされた場合、その後のオーラルフレイル発症リスクも高める可能性が示唆され、包括的なオーラルフレイルの予防には若年期からの正常な顎顔面形態及び顎口腔機能獲得のための機能訓練が効果的であると考えられた。本研究における臨床的指標の基礎的データは、顎口腔機能療法の発展への寄与が予想される。
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