研究課題/領域番号 |
19K19335
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
中井 久美子 日本大学, 歯学部, 助教 (50736725)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 電動歯ブラシ / コラーゲン / 線維芽細胞 / 歯周病 / 歯肉線維芽細胞 / 歯周炎 |
研究開始時の研究の概要 |
電動歯ブラシは,障害のある者や要介護高齢者だけではなく健常者のセルフケアにも広く活用されており,その使用率は年々増加している。電動歯ブラシの有効性は,主に疫学研究で検討されており,電動歯ブラシの継続的な使用が歯肉炎および歯肉出血を軽減させる一方で,プラーク除去効果を指標とした研究では,手用歯ブラシと電動歯ブラシに差は認められなかったとの報告もある。すなわち,電動歯ブラシの歯肉炎改善効果には,プラーク除去に加えて他のメカニズムの関与が予想される。そこで,電動歯ブラシを使用することで,刷毛部の振動は歯面のみならず歯周組織へも伝達されると考え,振動刺激における歯周組織の状態を細胞を用いて研究する。
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研究成果の概要 |
本研究では,電動歯ブラシの使用により歯肉の炎症や出血が軽減する疫学研究に着目し,電動歯ブラシの振動が歯肉炎の改善に寄与するメカニズムを検討した。線維芽細胞に電動歯ブラシによる振動刺激を加え,細胞の増殖およびコラーゲン性細胞外基質タンパク (Ⅰ,Ⅲ 型コラーゲン),非コラーゲン性細胞外基質タンパク (エラスチン,ヘパリン)など細胞外基質タンパクの合成への影響を調べた。その結果,電動歯ブラシによる振動刺激は,歯肉線維芽細胞のコラーゲン性細胞外基質タンパクや非コラーゲン性細胞外基質タンパクの発現を増加することで,歯周組織の形成を促進する可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
8020運動により20本以上の歯を有する高齢者の割合は増加傾向にある。それに伴い歯周病と判定される4mm以上の歯周ポケットを有する高齢者の割合も増えており,歯周病はいまなお口腔の健康を考えるにあたり重要な研究課題である。 本研究では,電動歯ブラシの使用により歯肉の炎症や出血が軽減する疫学研究に着目した。電動歯ブラシを用いることで,健常者の歯周病予防だけでなく,上手く手用歯ブラシを用いることの出来ない高齢者や障害者の人たちの病状の軽減を図れるのではないかと考え,電動歯ブラシの振動が歯肉炎の改善に寄与するメカニズムを詳細に検討し,患者さんの日々のセルフケアによる歯周病の重症化への予防を目指す。
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