研究課題/領域番号 |
19K19341
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
|
研究機関 | 東京歯科大学短期大学 |
研究代表者 |
菅野 亜紀 東京歯科大学短期大学, 歯科衛生学科, 教授 (90709859)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | オーラルフレイル / 口唇閉鎖 / サルコペニア / 口唇閉鎖力 / 口唇閉鎖圧 / 複合センサ |
研究開始時の研究の概要 |
高齢化対策として介護予防は重要な課題であり、その主な要因となるフレイルとともに、口腔機能の低下=オーラルフレイルが注目されている。両者は可逆的段階で早期に対処することが重要とされているが、オーラルフレイルの評価に関する知見は十分でなく、スクリーニングのための客観的指標の確立が急務である。そこで開発した複合センサを用いた口唇機能評価によるオーラルフレイルの早期発見の指標を検証する。これにより、歯科以外の職種や自分自身でも観察しやすい口唇から口腔の衰えの気づきを得る可能性がある。フレイルサイクルの中核とされるサルコペニアと口唇機能との相関性について科学的に立証し、スクーリング法を確立を目指す。
|
研究成果の概要 |
口唇機能を評価するため開発した口腔内圧、口輪筋筋電図、口唇閉鎖圧を同時に測定できる複合センサの精度を検証した。その結果、従来の方法より測定時間が有意に短縮され、感度も高いという結果から、評価法の有用性が示唆された。口唇閉鎖力は舌圧の先行研究と同様に男性は女性よりも高い傾向にあった。女性は口唇閉鎖力が低いほど口腔乾燥が生じている傾向にあった。しかし口腔乾燥は更年期や薬などの影響もあるため今回の研究では関連性を言及することはできなかった。また、最大口唇閉鎖力と握力は相関がみられたがデータが若年層に偏っていた。口唇閉鎖力とサルコペニアの検証は、高齢者層のデータを増やし今後再検証したいと考えている。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フレイル予防のためには、可逆的段階で早期発見・対処が重要である。加齢に伴う骨格筋の質的・量的変化は遅くとも40歳代ないし50歳代から始まっているため、高齢者のみならずその年代から予防対策を講じる必要がある。そのためには「気づき」を得る必要があり、口腔内を専門的に観察することの少ない職種や自分自身でも簡便に評価できることが求められる。それらのことから、観察しやすいと考えられる口唇に着目した口腔機能評価システムの開発は意義がある。口唇閉鎖力の低下は、口腔環境の悪化だけでなく、摂食嚥下機能やADL低下にも繋がる可能性が高く着目すべき機能であると考えられる。
|