研究課題/領域番号 |
19K19342
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
白部 麻樹 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (30814818)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 口腔衛生管理 / 認知症 / アルツハイマー病 |
研究開始時の研究の概要 |
要介護高齢者のケアに対する拒否等の周辺症状が出現する認知症に焦点を当てた口腔衛生管理に資する知見は不十分で、標準化した対応方法も提示されていないのが現状である。 本研究の目的は、認知症高齢者に対する円滑な口腔衛生管理をその容態に応じ、適時・適切に提供できるための基礎データの収集・解析、および対応方法を提示することである。 具体的には、①認知症の原因として最も多いアルツハイマー型認知症高齢者を対象とする。②認知症重症度(FAST)ごとに口腔衛生状態および口腔機能等の実態を把握し、口腔衛生管理課題を整理する。③収集した縦断データに基づき、FAST別に、適時適切な口腔衛生管理課題への対応方法を提示する。
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研究成果の概要 |
認知症重症度別に口腔衛生管理に関連した基礎データの収集・解析を行い、さらにその具体的な対応方法を提示することを目的に本研究を実施した。 491ケースのデータベースを作成し、マルチレベル分析を用いて、認知症重症度が口腔ケア介助拒否、リンシング不可、プラークの付着と関連があることを明らかにした。 認知症重症度別の口腔衛生管理の具体的な対応方法としては、FAST軽度では本人の自立度を維持できるよう促し、介護者がチェックを行う。FAST3以降では舌苔の付着が顕著になるため、舌のケアも重要になる。さらにFAST重度ではリンシングが十分に行えない者が増えるため、口腔内に食渣等が残らないよう配慮する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
介護現場においては、拒否などの周辺症状により、認知症高齢者の口腔衛生管理が困難となるケースが多い。また、口腔衛生管理が十分に行えないと、う蝕、歯周疾患などの発症、誤嚥性肺炎発症のリスクが高まることが指摘され大きな課題となっていた。 本研究において、認知症重症度に応じた適切な口腔衛生管理の方法を検討する上で必要な基礎資料となり得るデータベースを構築した。また、得られた研究結果を基に具体的な対応方法を提示したことで、介護者が口腔ケアを実施する際や歯科医療従事者が口腔衛生管理を行う際に、本人の病態に合った適時・適切な口腔衛生管理を行う上での指標の一つとなり得るのではないかと考える。
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