研究課題/領域番号 |
19K19348
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
池上 亜希子 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (60731073)
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研究期間 (年度) |
2019-02-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 受療行動 / 患者中心性 / かかりつけ医の質評価 / 患者中心性視点 / 医療の質 |
研究開始時の研究の概要 |
フリーアクセスが可能な日本ではゲートキーパー機能を果たすべきかかりつけ医の役割が不明確で、受診や検査の重複による医療費増大が課題である。外来機能分化の政策が行われているが、未だ大病院受診率は高い。患者の受療行動には医療の質が関与するとされるが、かかりつけ医に期待する具体的な質は明らかではない。本研究では大学病院総合診療科外来初診患者に対し、患者中心性視点での医療の質という新たな観点からかかりつけ医の質評価と受療行動の関連を調査し、患者が期待するかかりつけ医の質を明らかにし、その特性を備えたかかりつけ医の育成や拡充、外来機能分化や病診連携の強化など、適切な受療行動へ推進させる改善策を創造する。
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研究成果の概要 |
ゲートキーパー機能に影響するかかりつけ医の質を明らかにするため、大学病院総合診療科を受診した患者に対し、かかりつけ医に対する受療行動、プライマリ・ケアの特性(近接性、継続性、協調性、包括性、地域志向性)に関するペイシェント・エクスペリエンスを調査した。その結果、かかりつけ医がいてもその医師を受診しない、紹介状をもらわない患者が多くいる実態が明らかとなった。かかりつけ医から紹介状をもらった患者では近接性(いつでも受診できる)や協調性(適時適切な紹介)の得点が高かったことから、これらの向上をはかる仕組みを構築することで、かかりつけ医によるゲートキーパー機能の向上が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、多様な受療行動を経て大学病院を受診する患者に対して初めて、かかりつけ医の質と受療行動との関連について調査を実施した。その結果、かかりつけ医がいても受診しない、紹介状をもらって来ない患者が多くいる実態が明らかになり、プライマリ・ケアを担う医師が必ずしも全領域診療に対応出来ているわけではない可能性が示唆された。現在かかりつけ医制度が検討されているが、プライマリ・ケアの特性のうち、近接性や協調性の向上をはかる仕組みを構築できれば、かかりつけ医をバイパスしない紹介を促すことができ、結果としてかかりつけ医によるゲートキーパー機能の向上が期待される。
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